算数の力を伸ばす秘訣は全国模試で「100点を取らせること」
――少しずつメソッドが見えてきました。そのほか、算数の力を伸ばすポイントはありますか。
私が心がけているのは、中程度の難易度の全国模試で子どもたちに100点を取らせることです。決定的に自信をつけるには、100点を取る経験をさせるのが一番手っ取り早いです。
――それはどういうことなのでしょうか?
子どもたちにはまず、100点で達成感を味わい、確固たる自信をつけてもらいます。
しかし毎回100点というのはなかなか難しく、97点、94点の時もあります。全国模試では、たった1問ミスするだけで大きく順位を落とします。1位の次が20位や50位、なんてこともあるんです。
100点の達成感を味わうからこそ「1問の重さ」を知り、見直しの重要さに気付けます。100点自体が重要なのではなく、全国で1位になるという実績や経験が大事になります。
これは算数オリンピック対策に限らず、受験対策や日々の学校のテスト対策にもつながる重要な経験、意識だと思います。
――なるほど。でも、100点を取るのはなかなか簡単なことではないですよね。
そこでさっきの飛び級が効いてきます。あくまで比喩表現ですが、100点分の知識(その学年分の知識)しかもっていない子より、200点、300点分(自分の学年より上の学年の知識)をもっている子の方が、テストで100点を取れる可能性は高いです。
なぜなら、知識を多くもっている分、問題を解く方法をたくさんの中から選べるからです。その方がより心に余裕が生まれ、ミスも少なくなります。子どもが余裕をもって問題に臨める状況にすることも、我々の指導で意識していることです。