熱中症の応急処置方法
熱中症の応急処置にはいくつかチェックポイントがあります。症状に合わせて処置は違うので、どんな状態であるかをまずは確認しましょう。
チェック1 暑い中に長くいてあるいはその後に、熱中症を疑う症状があるか確認
暑い環境下に長くいてあるいはその後に、めまいや立ちくらみ、筋肉の硬直があるかなど確認します。場合によっては熱中症ではない病気かもしれないので、まずは熱中症かどうかをチェックしましょう。
チェック2 呼びかけをする
意識があるかを確認します。呼びかけして、しっかり返事ができる、話せるなら意識があるので、涼しい場所に移動させて、体を冷やしましょう。
日が当たらない、風通しのいい場所やエアコンがきいた大きな車の車内などに移動を。
女性や子どもを救助する場合は同性の救護者に助けを求めると不審者と間違われるリスクが減ります。
もし、呼びかけに応じない場合は、すぐに救急車を要請してください。
救急車の到着を待つ間、涼しい場所に移動して、ベルトやネクタイ、靴下など服装を緩めて、汗をかきやすくし、体を冷やします。おすすめはコンビニに売っているかち割り氷です。
袋が丈夫で体に挟みやすく、溶けたら氷嚢として使えるので、タオルにくるんで体に当てましょう。
冷やす場所は体表の近くに、太い静脈がある頚部の両側(かち割氷だと圧迫が強いので、濡れたタオルが安全)、腋の下、鼠径部です。
他に後頭部を冷やすのも有効です。
もし、氷がなければペットボトルの水や濡れたタオルを体に当てるのでもOK。
熱が出たときに使う、ジェルタイプのシートに冷却効果はないので、氷嚢や濡れタオルを使うようにしましょう。
チェック3 水分を自分で補給できるか
自分で水を口に運べるかチェックします。しっかり手に持って、むせずに飲むことができたら意識はしっかりしています。
もし、水が自分で飲めないようでしたら、周りに付き添ってもらって医療機関を受診しましょう。
チェック4 症状を見守る
そのまま安静にして、少なくとも20~30分は見守りましょう。容態に変化があるかもしれないので、熱中症の人を一人にさせないように。もし、その場を離れなければならない事情があるなら、家族や友人に来てもらう手配を。
十分に休憩をして回復したら、帰宅しても大丈夫ですが、心配なら医療機関を受診してもいいでしょう。
熱中症はほとんどの場合が軽度か中等度なので、涼しい場所で体を冷やし水分を摂り、休めば次の日にはすっかり回復しています。
問題は、熱中症の他に持病がある場合です。
熱中症と糖尿病、熱中症と高血圧など他の病気が重なると重度となり、なかなか回復しません。
熱中症になった次の日も熱が出ている、体調が優れない場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
取材/百田なつき
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