回答のぶつけ合いで盛り上がっていくスパイラル
人気急上昇中の大喜利シーン。その盛り上がりの背景を探るべく、今年5月、東京・新宿ナルゲキで開かれた「大喜る人たち season21」終了後、プロとアマチュアの出演者たちに座談会形式で話を聞いた。
座談会メンバーは、芸人の寺田寛明、警備員(ハチカイ)、Yes!アキト、アマチュアの六角電波、ぺるとも、冬の鬼、加えて主催者の小川悠介。前編では、大喜利シーンが盛り上がってきた経緯を聞いたが、後編では大喜利の魅力を聞きながら、おすすめのコンテンツを紹介してもらおう。
――プロ・アマ入り乱れ、シンプルにお題に答えていく「大喜る人たち」。ライブを見ると、大喜利特有の熱狂がありますね。
冬の鬼 「その場限り」だからかなと思います。今言われたことをどう活かすか、というところで楽しんでいるから。
Yes!アキト 大喜利って、全員で入れ替わって回答していくじゃないですか。回答のぶつけ合いをしてそれが盛り上がっていくスパイラルがあるというか、独自の生態系を形成しているような感じがします。「大喜る人たち」のように演者と観客がはっきり分かれているライブでも、お客さんとそれを共有できている気がする。「大喜る人たち」のYoutubeのコメント欄にもそういうノリを感じますね。
――相乗効果があるのはライブの醍醐味ですね。
Yes!アキト 「そういう答え方の角度があるんだ! じゃあ俺はこうするぜ」って発見のし合いなんですよ。だから回答がすっげぇところまで行くときがありますね。「もうついていけねえよ!」みたいな。
警備員 回答を遠くに飛ばしすぎて、お題と関係なくなってしまうときもありますね。
Yes!アキト 僕、さっきB'zのお題でイエモン(ザ・イエロー・モンキー)歌ってたし。
寺田寛明 意外とそういうのが受け入れられてるよね。(お題は)コウメ太夫だって言ってんのに全然違うネタのパロディをやり始めたり(笑)。(自身が主催している)「大喜利千景」にもあったノリですが、怒られると思いながらやってたんですよ。
警備員 演者にとってはめちゃくちゃ楽しいノリ(笑)。
寺田寛明 コメント欄とかを見てると、楽しんでもらえてるなぁと。これは発見ですね。どこまで遠くに飛ばして受け入れられるかって観客次第なので、探り合いです。今日ならここまで飛ばしてもウケそうだな、みたいな。
Yes!アキト 1個目の回答で飛ばしすぎるとわからないとかね。
六角電波 大喜利プレイヤーしかいない場だと、全員がそのお題に対する答えを考えてるから、当然出てくるべき回答はもうみんな頭の中にあるんですよね。だからとにかく遠くに飛ばして裏切らないとウケないんですよ。