第4位:『テリファー』(2016年)
ここらでちょっぴりマイナー寄りかつクセが強いものを。デイミアン・レオーネという監督の猟奇的スプラッター映画、『テリファー』(2016年)だ。
実はこの監督の前作である『THE MUMMY VS FRANKENSTEIN マミーVSフランケンシュタイン』(2015年)が、(大変失礼ながら)決して褒められたものではない出来栄えだったため、続く本作はリリース当時、必然的に警戒しなければならなかった。
が、蓋を開けてみればその内容は、「万人ウケは絶対にしないものの、意外とアリ!!」。
ストーリーは至ってシンプルであり、「いきなり町に現れた謎のピエロが、目についた通行人たちを、とにかく見境なくあの手この手でただ惨殺しまくる」という悪趣味さ全開の筋書き。ドラマ性とは無縁の、スナッフビデオめいた代物であり、映像は極めてグロテスク。
血まみれドッバドバの殺戮シーンという山場を除き、脚本的にはヤマもタニもほとんどあったものではない。が、その残酷表現に特化したシンプルさゆえに本作、スプラッター・ホラーとしてはまともに観られるものとなっている。やっていることの凄惨さに反して、妙にユーモラスで感情表現豊かな殺人ピエロのキャラクターもグッド。
ただし、繰り返しになるが、絶対に観る人を選ぶので、スプラッター映画好きにのみオススメしておこう。