直近10年で「フリーランス記者の新規登録0人」の要因

前回と今回の記事で紹介した官邸報道室の対応を改めて振り返ると、「いかにして新規登録のハードルを高くするか」に腐心しているかがよくわかる。

・参加条件に関する情報は極力一般には公開しない(電話やメールでやり取りを重ねると隠された条件が次々と明らかになる、等)

・参加条件をこっそりと伝える(メール本文ではなく添付ファイルの文言のみに条件を記載する、等)

・こちらの解釈を明記しただけでは、その正誤について回答しない。答えざるを得ないほどピンポイント(「この理解で正しいか?」等)に質問した段階でようやく回答する

前回記事でも紹介した通り、現時点で総理大臣記者会見に事前登録しているフリーランス記者(約10名)は全員、2012年の民主党・野田政権以前に登録している。つまり、この10年間にわたって、新たに事前登録が認められたフリーランス記者はひとりもいないのだ。

その要因は、こうした官邸報道室の閉鎖的対応によって事前登録のハードルが引き上がり、フリーランス記者は申請自体を諦めざるを得なかったからだということが徐々に明らかになってきた。

実は今回の記事公開によって、筆者は3ヶ月連続で「総理や官邸の動向」に関する署名記事を協会加盟社が運営する媒体で掲載した。

*5月に総理大臣記者会見の参加条件に関する記事(https://shueisha.online/culture/19508)、6月にインボイス制度に関する岸田総理答弁の記事(https://shueisha.online/culture/25881)、7月に本記事を公開。

これにより、今度こそ総理大臣記者会見の事前登録の条件を満たしたことになる。筆者がフリーランス記者として約10年ぶりに事前登録に成功するのか。それとも官邸報道室が登録を阻むために新たな小細工を繰り出すのか。引き続き、身をもって検証していきたい。


写真/小川裕夫