今場所から出稽古が解禁になり、実戦的な稽古ができるようになった。荒汐部屋には霧馬山、阿炎、高安、東龍らが稽古にやってきた。
――久しぶりに出稽古が解禁となりました。
若元春 僕の中では出稽古が始まる前から充実していたと思っています。弟が三役にいて、幕内の荒篤山関もいましたし、しっかり稽古ができていたので。
若隆景 出稽古に行くことはなかったんですけど、たくさん来てもらったので、他の部屋の関取衆とすごくいい稽古が自分の部屋でできたことで、体の動きも徐々によくなってきていると思います。いろいろな部屋の関取衆と肌を合わせて稽古できるっていうのは、自分にとってもプラスになったと思います。
――名古屋場所へ向けて、課題があれば教えてください。
若元春 僕は当たってから左四つに組む相撲なので、もう少し体重がほしいと前々から思っていたんです。今場所は上位戦もあるので、そこに向けて体重をあと5キロから10キロ増やしたいです。
若隆景 僕は下からの攻めを大事にしているんですけど、そこをブレさせないこと、あとは15日間しっかり一日一番の気持ちでやることじゃないですかね。
夢の兄弟優勝決定戦!?
――ストレートにお聞きします。今後、兄弟での優勝決定戦があったらどうしますか?
若元春 僕が頑張らないといけないですよね。弟はそれこそ優勝しているので、可能性のある力士として数えられますけど、僕はまだ全然頼りない成績ばかりなので、期待に添えるように頑張ります。
若隆景 同じ幕内にいる限りはそういう可能性もあると思うので、精いっぱい相撲取って、最終的にはそういう形になったら一番いいんじゃないですかね。
――若乃花と貴乃花の決定戦を見たことはありますか?
若元春 そうですね。僕はあまり相撲は見ないんですけど、その取り組みは有名なのでYouTube に上がっているものを見たことがあります。ただ、自分と重ねることはできなかったです。あまりにも現実とかけ離れすぎていて、正直まだ、想像もつかない。
若隆景 この間たまたま、若乃花さんの引退特集をYouTubeで見て、決定戦の相撲を見たんですけど、若乃花さんはできるならこの一番は思い出したくないとか、記憶から消したいと言っていました。自分も兄弟決定戦とか、その時は見てすごいなと思いましたけど、まったく自分に重ねるってことはなかったです。
――過去に2人で相撲を取って印象に残っている一番はありますか?
若元春 そういうのはないですね。同部屋の力士は基本的に対戦がなく、稽古しかないから、稽古場では毎日何十番も取っているので、この一番っていうのはないです。
――では、本場所の決定戦が実現すれば、それになるのでしょうね。
若隆景 あ、まあ
若元春 それからってことでしょうね。
インタビュー後編
「ジョジョにONE PIECE、カムイも!? 相撲最強兄弟は漫画好き!?」はこちらから
大相撲七月場所 ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)
7/10〜7/24
https://www.sumo.or.jp/Watching/isolate/
撮影/石田壮一 取材・文/康長 健(やすなが・けん) 構成/星山 江里可