中国の民主化で米中対立が進む可能性

中印国境粉争(1962年)も本格的な軍事衝突ではなく、その名のとおり、国境未確定地域での小競り合いでしかない。ヒマラヤ山脈を隔てて向き合う両国で、ミサイル配備は抑止力にしかならない。まして、海を越えてアメリカと本気で戦うとは考えられない。

共産党の一党独裁を含めて中国は4000年もの間、専制君主制度を続けてきた。それが中国の文化、政治的風土と割り切ればいいと思う。

もちろん、その構図が崩れる可能性はゼロではない。たとえば中東では、パーレビ王朝(1925年末から1979年初めまで存在したイラン最後の王朝)時代、イランは親米で知られていたが、イラン革命を経て世界で最も過激な反米国家となった。

そこから言えることは、中国の民主化が実現したら、余計に米中対立が進む可能性があるかもしれないということだ。

新聞やニュースの情報だけを鵜呑みにせず、一つひとつキーワードを吟味する。歴史を知らないと思う人は、まずここから始めるべきである。