また人・モノ・金のリソースも大きく異なる。森本氏は「大企業なら経理や法務などバックオフィスの部署が整えられているのが当たり前です。しかし、ベンチャーだとそうはいきません。創業間もない企業なら、経理部がないなどざらにあります」と一例を挙げる。

さらに大企業であれば効率重視でアウトソースすることも、ベンチャーであれば当然のごとく自前でやらざる得ないことも多い。集英社オンラインでも、以前あるベンチャー企業を取材した。サービスのベータテストで実施する200名を超えるユーザーインタビュー、サービスのQ&A対応など、10名弱の社員が役職や職種など関係なく総出で対応する。これはあくまで一例ではあるが、これと似たようなケースはベンチャー企業ならザラにあるのだ。

“わかったつもり”という罠

そんな大企業とベンチャー企業の違いも、今にはじまったことではない。転職が増加傾向に転じる以前から言われ続けてきたものの、今でも“わかったつもり”になっている場合は少なくないという。

「みなさん、頭では理解していても、意外といざ転職してみるとカルチャーギャップでショックを受けてしまうものです。”わかったつもり”はなかなか根深い問題です」

だからこそ、森本氏はあえて転職希望者の覚悟を問う。

大企業を辞めてベンチャーに転職する前にやるべき「たった1つのこと」_3

「繰り返しますが、大企業とベンチャー企業は根本的に違う。だからこそ、ベンチャー企業の現実をしっかりと伝えます。『キラキラと輝いているように見えるから』、『ストックオプションで一攫千金を狙いたいから』といった理由では、すぐに心が折れてしまいます」

頭の中の不確実な情報ではなく、実際に目の前に突き付けられる現実を受け入れる覚悟がなければ、ベンチャー企業で働くのはおぼつかないと言っても、過言ではなさそうだ。