節約できるところは節約するメリハリ消費が主流に
販売数量の減少や原材料価格の高止まりに苦しむ食品メーカーは、亀田製菓に限らない。 森永乳業の2026年3月期決算では、国内事業が販売数量の減少や原材料費・物流費の上昇などにより減益となった。一方、海外事業の好調が国内の減益を補い、連結全体では営業増益を確保している。
不二家も2026年10月に発表した第3四半期決算で、消費者の買い控えや天候不順などの影響により、売上高が計画を大きく下回ったと説明している。
とどまるところを知らない物価高を背景に、消費者は「値上げ疲れ」から「値上げ慣れ」している様子が見られる。
くふうカンパニーグループのくふう生活者総合研究所が、生活者8383人を対象に値上げについて調査したところ、74.2%が「値上げに慣れてしまった感覚がある」と回答。買い物の基準は42.3%が「メリハリ重視」、27.1%が「安さ重視」となった。
削るところは削り、贅沢するところにはお金をかける。こだわるものにはお金をかけ、それ以外は少しでも安いものを選ぶという消費傾向がうかがえる。 そして、値上がりで手を出しづらくなったものの第1位が「お菓子・スイーツ」で45.9%である。
亀田製菓の営業利益は、2024年3月期から2026年3月期まで、前期比で約25%、約23%、約37%と3期連続で伸びた。しかし、今期は一転して減益を見込む。
原材料費や物流費の上昇を価格に転嫁しても、消費者の買い控えによって販売数量が落ち込めば、企業の収益改善につながるとは限らない。値上げを受け入れてもらうことが、これまで以上に難しくなっているのかもしれない。
取材・文/不破聡












