プライベートブランドの台頭

「亀田の柿の種」は年間販売数量が約1億袋に上り、国内米菓市場で売上高1位の地位を維持している。一方、柿の種とピーナッツを組み合わせた商品は他社も販売しており、値上げをきっかけに、消費者が価格の安い商品を選ぶ可能性もある。 

柿ピーはイオンやドン・キホーテ、ロピアなどがプライベートブランドの割安タイプを販売しているほか、業務スーパーなどでも大容量のメーカー品を扱っている。

ドンキホーテで展開する「柿の種&ピーナッツ」(写真/読者提供)
ドンキホーテで展開する「柿の種&ピーナッツ」(写真/読者提供)

野村総合研究所は、2026年7月に「食料品の値上げに対する意識と行動」に関するアンケート調査を実施した。関東1都6県に住む15~69歳を対象とした調査で、値上げに対する反応として最も多かったのが「より安価な別のメーカーの商品(スーパーの独自ブランドなど)に乗り換える」で41.7%だった。

お菓子は生活必需品というよりは、嗜好品としての性格が強い。従って、値上げに伴って買い控えが起こりやすいことに加え、柿ピーのような商品は他社の安価な商品へ乗り換える消費者が出てくることも考えられる。ただし、今回の調査は食料品全般を対象としたもので、亀田製菓の商品から他社商品への乗り換えが実際にどの程度起きたのかは明らかではない。

一方、独自の味わいで支持される「ハッピーターン」のような商品では、他社製品への乗り換えだけでなく、特売を待ったり、購入する頻度を減らしたりする消費行動も考えられる。

野村総合研究所の調査では、許容できる値上げ幅について、「5~10%未満」が50.7%と過半数を占めたという。亀田製菓は個別商品の販売数量の変化を明らかにしていないが、「3~17%程度」の値上げというのは、商品によってやや高いと感じられるものだった可能性が高そうだ。

亀田製菓は、「亀田の柿の種」をおつまみとしてだけでなく、おやつとして楽しむ需要の開拓にも取り組んでいる。 その一環として今年9月に発売したのが、「亀田の柿の種 トレイルミックス」だ。

通常の柿の種に、「ミルクチョコ柿の種」や「バナナチップス」、アーモンドやカシューナッツなどを加えた商品だ。このような商品は付加価値を上げ、競合との差別化も図りやすい。しかし、新たな商品が市場に浸透するのは時間がかかりそうだ。

亀田製菓は国内米菓事業を収益の柱としてきたが、中期経営計画では国内米菓事業と海外事業を収益の二本柱として収益力を強化する方針を掲げている。すでに北米やアジア地域で拠点を構築済みだ。ただし、今回の業績予想の下方修正では北米子会社の供給制約も影響しており、海外事業の収益力をどう高めていくかも課題となる。