港区議会でも「ゴミ屋敷」問題は議論されている
長年、ゴミ問題に悩まされてきたという近隣住民は、最終的に転居を余儀なくされたと話す。
「どこに相談してもダメですし、私も家の中にいても悪臭とホコリで咳が止まらなくなってしまったんです。それでもう住むのはあきらめて去年引っ越しをしました。固定資産税だけはこれからも払っていかないといけませんし、本当、何でこんな目にという思いです」
実は港区では、今年3月の区議会でも「ゴミ屋敷」問題への対応が取り上げられていた。白石さと美区議が条例制定の必要性を指摘したが、区側は足立区や世田谷区を訪問し、先進事例を調査したことを説明。一方で、住人が行政による介入や支援を拒むケースもあり、強制的に荷物を片づけるだけでは再発する可能性があることから、福祉的な支援を含む継続的な対応が必要だとの認識を示した。
集英社オンラインは住人本人への取材を試みたが、玄関前には大量の荷物が積み上がっており、敷地内に立ち入らずにインターホンを押すことはできなかった。
一方、港区の担当者は、集英社オンラインの取材にこう回答した。
「当該住居については、近隣の方からご相談をいただいており、区として状況を把握し、対応してきたところです。コロナ以前から対応を継続しております」
区はこれまで職員が住人と一緒に荷物を整理してきたことも認めたが、最後に片づけを行なった時期については明らかにしなかった。また、私有地にある個人の所有物については、本人の意思に反して処分することは困難だと説明した。
荷物の崩落や火災の危険性についても、区は「環境衛生や安全面に関する懸念があることは認識している」と回答。しかし、具体的な対策や実施時期は示さず、今後についてはこう述べるにとどまった。
「ご本人との対話を重ねながら、関係部署・関係機関と連携し、生活環境の改善に向けて粘り強く対応してまいります」
SNSでは異様な光景としてにわかに注目を集めているゴミ屋敷。しかし、近隣住民にとっては10年近く続く深刻な生活問題だ。区も安全面への懸念を認識しながら、解決には至っていない。荷物の所有者である住人への支援と周辺住民の安全をどう両立させるのか。港区の対応が問われている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













