水洗化には「綺麗になって嬉しい」

JR四国の無人駅・鬼無駅前に整備されたのは、男女別トイレと多目的トイレを備えた約41平方メートルの建物だ。夜になるとガラス面に天使の羽などの映像が浮かび、土曜日などには学生の作品やプロジェクションマッピングも投影される。

かつてのトイレは男女共用の汲み取り式で、老朽化が進み、利用者からは「汚い」「使いたくない」といった不満が上がっていた。駅の近くには県立高校があり、通学する生徒も利用することから、県がJR四国から土地を無償で借り、整備に乗り出した。県交通政策課の職員は経緯をこう説明する。

「以前から鬼無駅のトイレについては、地元からの改善要望が非常に強かったです。JR四国さんがすぐに改修をされる予定もなかったので、県が先に対応する運びとなりました。鬼無駅は県立高校の最寄りの駅で、モデル的に水洗化されていない男女共用のトイレを直したという形ですね」

鬼無駅(写真/近隣住民提供)
鬼無駅(写真/近隣住民提供)
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近くの高校に通う女子高生は「綺麗になって嬉しい」と喜ぶ。利用者の男性も、以前はトイレを使うことをためらっていたという。

「今までは汲み取り式で衛生的に使うのに抵抗があって、トイレに行くのを家まで我慢することもあった。改善されて良かった」(利用者の男性)

総事業費は約9900万円。このうち、トイレ本体の建設が約7200万円、壁画やプロジェクションマッピング関連が約2700万円という内訳だ。

南側の壁には、鬼無を桃太郎伝説発祥の地と主張する「鬼無桃太郎伝説」を題材に、イラストレーターの朝際イコさんが描いた壁画もある。アートを取り入れた経緯について、県文化振興課は「若手アーティストが作品を披露できる公共の場を探していたところ、ちょうどトイレ整備の話があった」と説明する。

近隣住民によると、完成直後には光るトイレを見に訪れる人が大勢いたという。ただ、長年この地に住む男性は、費用に厳しい見方を示す。

「最初だけだよ、税金の無駄でしょ」