設定が“斬新”ではなくなってしまう可能性

こうした結果を見る限り、知名度は視聴の入り口を広げても、継続的な支持まで保証するものではない。また、時代の変化によって、当時の設定が持っていた斬新さが薄れることもある。

パグと見つめあう桑野信介(阿部寛)(画像/『まだ結婚できない男』公式SNSより)
パグと見つめあう桑野信介(阿部寛)(画像/『まだ結婚できない男』公式SNSより)

例えば、今回の『ウォーターボーイズ』にも、当時は珍しかった男性のシンクロが、今ではそれほど目新しく感じられないという意見がある。

同様の指摘は、2006年放送の『結婚できない男』が、2019年に『まだ結婚できない男』として復活した際にも見られた。“おひとりさま”を楽しむ独身男性という主人公像が、当時に比べて身近になり、設定の目新しさが薄れたという見方だ。

それでも、なぜ復活作は作られ続けるのか。テレビに詳しいライターの戸部田誠氏(てれびのスキマ)は、その背景をこう見る。

「過去のヒット作には、言うまでもなく既に固定のファンの存在があり、最初から知名度もあります。最低限の視聴率は見込めるというのが大きいのではないでしょうか。ヒット作である以上、魅力的なキャラクターができあがっています。そうしたキャラクターを、社会状況が大きく変わった令和の今、描いたらどうなるか、というアプローチはそれなりに意義のあるものだと思います」

さらに、原作のある作品を新たにドラマ化する際の難しさにも目を向ける。

「原作改変に対するアレルギーがより強くなった昨今、もしかすると新たな原作モノを作るハードルが高くなっているのかもしれません。その結果、原作モノの代わりにリメイクや続編が増えている可能性もあるのではないかと想像します。

確かに過去の栄光頼みという批判はあると思いますが、その一方で、フジテレビの前クールでいえば『さよならノワール』のような新しい視点で丁寧に作られた良作も生み出しています。1クールごとの本数が増えた中、1本くらい懐かしさを喚起するようなリメイク作品があるのは、様々なドラマを楽しむという観点で悪くないと思います」