趣味の時間で生まれる音楽のアイディア

年月を重ねた今、「ありのままの自分に胸を張っていい」と素直に受け入れられるようになった。

「家で、ペットの世話をしたり、料理をして過ごす時間がとても愛おしい。ホームセンターや生地の問屋街に行って買い物をしたり。恋愛の曲を作ってきたけれど、一人でいる時間をここまで楽しめるようになるなんて、自分でも思っていませんでした」

そんな穏やかな日常のなかで、現在彼女が特に情熱を注いでいるのが手芸の時間だ。

幼少期に祖母と並んで刺繍をした記憶。上京後、街で見かけた雑貨やバッグの値段に驚き「だったら好きな柄の生地を買って自分で作ってみよう!」と針を手に取ったのが始まりだという。現在では動画を参考に、型紙なしでライブ衣装や私服まで仕立て上げる腕前だ。

「無心になれる感覚が好きなんです。その静かな時間の中で、ふと新しいメロディが降りてくることもあります」

手芸に没頭し、心を無にして自分らしい日常を味わうこと。それこそが、肩の力を抜いてマイクに向かうための大切な充電時間なのだ。等身大の自分を認めたからこそ、ステージの上でも無理のない自然体で居られる。

自ら手がけた衣装を着用して歌う岡本真夜(撮影/大村祐里子)
自ら手がけた衣装を着用して歌う岡本真夜(撮影/大村祐里子)
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この春には久しぶりのツアーを走り抜け、冬にも次の公演を控えている。

「春のときよりも、さらに深みを増した歌声をお届けできるはず。ぜひ楽しみに待っていてほしいですね。

紅白……ですか。マネージャーやスタッフには出てほしいと言われております(笑)」

見据える先は35周年。葛藤と涙の夜を越えて自分らしい日常の尊さにたどり着いた。素顔の自分を受け入れた今の岡本真夜は、まさに路傍に咲く花のように強く、しなやかに自らの花を咲かせている。自分自身の日常を愛し、心穏やかに歌を紡ぐ日々――それこそが、30年の歩みが彼女にもたらした最高の実りなのだ。

取材・文/木原みぎわ

◆岡本真夜 Christmas concert

2026年12月11日(金)/愛知公演
2026年12月19日(土)/東京公演
2026年12月20日(日)/東京公演
2026年12月25日(金)/大阪公演

チケット受付はイープラス、ローソン、ぴあにて