学校を離れれば上下関係も軽減される

――あとはアイデンティティの問題、先述した朝鮮学校は、当然生徒の学校へのアイデンティティが強いわけですが、日本の中学校もそれぞれに伝統があるわけで、それを背負う文化というのは親子代々あったと思います。

内田 学校に部活があることによって、救われている子もいて、その観点から移行には反対であるという意見も聞きました。要は授業についていけないような生徒、あるいは不登校傾向の生徒が部活で救われるんだという。

それも当たっていますけど、結局のところは、未知の新しいシステムに移ることに、大きな抵抗があるのでしょう。

そして逆のケースもあります。ヤクルトの監督をされていた古田敦也さんが言っておられたのですが、中学校の野球部で凄まじいイジメに逢っていたと。もう野球は辞めようと思っていたけれど、親やコーチに諭されて転校してそこで野球を継続したそうです。

部活動は、自分の在籍校に拘束されます。しかし、地域であれば、チームと合わなければ変わればいい。また学校の人間関係からも解放される。そういう見方もありうると思います。

写真はイメージです
写真はイメージです

――これは対応が遅れるとどういう弊害がありますか。

内田 非常に大きな問題があります。この先、待っているのが学校の統廃合なんです。今、文科省は市町村を超えて統廃合することをすでに想定しているんですよ。

うちの村の学校、うちの学校の部活動どころではなくなっていく。もう市町村単位で学校が成り立たないっていう時代がもうきている。危機的状況なんですよね。

じゃあ、子供たちが持つアイデンティティというか、自分が肯定される場所、そういうものをどう作っていくのか、もう見定めなくてはいけない時代に来ている。

逆に同じ中学校の子供たちだけで 1 つのスポーツがやれた時代というのは奇跡であって、もうそういう前提が立たない中で、子供たちが自分が認められて、活躍できると思える場をどう作っていくかというのが、地域の大きな課題です、本当にもうそうせざるを得ないのです。