部活は維持が不可能な段階に
――静岡の掛川市と兵庫の神戸市が先陣を切る形で移行を始めました。すでに内田さんは両自治体を取材されていますが、これまでに至った背景と今後の課題についてどう認識されているか、教えて下さい。
内田良氏(以下、内田) 今は、本当に大きな変革のタイミングに来ていて、神戸の地域クラブ、通称コベカツは、さまざまな情報をさかんに発信しています。
地域移行は突然の流れではなくて、これまでのおさらいをすると、ご指摘の通り、少子化の影響で、かなり以前から地方に行けば、学校単位での単独チームは運動部、文化部を問わず、成立しなくなっていました。
だから学校の枠を超えての合同活動などは、実はもう 10 年以上前から模索され始めていたのです。そこにさらなる少子化と、顧問として指導する教員の長時間労働というのが可視化されて、学校単位での部活というのは、維持が不可能になってきました。
教員の長時間労働に依存していたというのは言い換えると、仮に部活動が学校を離れた時には人も金も無くなるということになる。指導者も予算も無い中でどうするか。地域移行が求められる中、先陣を切って掛川や神戸が工夫しながらやっています。
――移行される上での当事者である生徒たちの思いはどうなのでしょう。この学校でこのスポーツをやりたかったという生徒たちも結構いるんじゃないかと思いますが、地域クラブが出来たことで、スポーツを継続する生徒たちの学校から地域クラブへの意志の移行はスムーズに行っているのでしょうか。
内田 そこはアンケートの結果が色々あります。第一に、部活動時代と同じ競技を続けたいという生徒ももちろんいます。第二に、今回、地域クラブに移行するにあたって可能性が開けて新しい種目に挑戦したいという子も同じくらいの数でいます。
例えば人気があるのはダンスやバドミントンという従来の学校部活にあまりなかったもので、この 2つの競技はどの自治体でもすごく人気が高い。オリンピック種目にもなったスケボーなんかもそうですね。第三に、もう部活動はお腹いっぱいで休みたい人。おおよそこの3つの層に分かれます。
――ポジティブな部分としては、まず種目の拡大というのがありますね。私は朝鮮学校の取材もしてきましたが、ここは少子化だけではなくて、高校無償化から外されるなどの政治的な影響もあって、生徒数がどんどん減っている。
内田さんは、学生時代にストイコビッチの追っかけをして引退試合まで観ていたほどのサッカー好きですが、サッカーなどは、かつて朝鮮学校の独断場でしたが、今は11人集まらない状況で兵庫にある3つの中級学校、神戸、尼崎、西播の合同で1チームを作っています。こういう民族学校の生徒の参加も歓迎されているわけですね。
内田 そうですね。その民族学校や小さい島の学校のことなども想定すると、良かったと思います。つまり、小さい学校だと、そもそもやれる競技が限られている。卓球とかテニスとか、陸上競技などの個人競技です。そういう学校からすれば、選択肢は広がるという見方もできるんです。













