「逆境体験の影響は健康を害する行動を促進」
逆境体験はそれぞれ相互に累積的に影響していくという。その影響は様々な面で表れる。逆境体験から他者に対し攻撃的になることもあるが、自身に向けての行為を引き起こすことが多いそうだ。
「小児期逆境体験についてはアメリカのCDC、日本で言う厚労省のようなところでずっと研究されています。そこで調べられた結果、逆境体験の影響は健康を害する行動を促進するということもわかってきています。
例えばむちゃ食いをする、タバコを早くから吸う、お酒をたくさん早くから飲む、性的な逸脱行為をする、薬物を乱用する、知的発達が悪化するなど、様々な問題を引き起こすと言われています」
いじめ問題は世界的に広がっており、日本だけでなく大きな社会問題になっている。桝屋教授は、いじめ問題に関して社会全体で向き合っていけるのではないかと語る。
「フランスではいじめを受けた被害者が自殺した場合、最高で懲役10年、罰金も最大15万ユーロ(約2600万円)が科せられます。日本もこうしたことをやった方がいいとか、やったらよくなるとか、そういう風には思いません。
しかしフランスの例のように、それだけいじめが社会的に深刻な問題になっており、社会もそれを認識していかなければいけないとは思います。いじめを完全になくすのは難しいかもしれませんが、正しい知識を持ってそれを広めていくことで抑止力を作っていける。あるいは、いじめが起こっても、被害にあっている子を社会全体で守れるような、そんなセーフティネットを広げていくことがとても大事だと思います」













