「三冠の時と同じような流れ」竹澤健介の時代と重なる今季の早稲田
――この2年は、高校時代のトップ選手が入学してきています。好循環が生まれ、選ばれるチームになったからだと思いますが、その要因をどのようにお考えでしょうか。
やっぱり結果が出てきたことが1つの大きな要因ですね。当初は、トップ・オブ・ザ・トップはなかなか来てくれませんでした。工藤ももちろん高校時代から強かったですけど、本当の意味でのそういう選手ではなかった。大学に入ってどんどん強くなっていった選手ですから。
ただ、他大学に比べて推薦の枠が少ない分、来てくれた選手はちゃんと結果を出さなきゃいけないので、期待が大きい分、彼らはプレッシャーもあると思います。
一般組の選手もちゃんと伸びています。今は、インターハイに出ている子なんかでも、他大学から声がかかっていても、「早稲田に行きたい」と言って、いろんな入試を受けてでも、来てくれるようになりました。
早稲田に行けば、自由な雰囲気の中でやれるというのが、この5年間で少し浸透したのかな。ただ単に自由というだけでなく、結果を出さなければいけない自由なんですけどね。
――毎年毎年選手が入れ替わり、アップデートもしていくなか、昨季のチームから成長できた点、もしくは、昨季のチームとは異なるのはどんな点でしょうか。
昨季は、山口智規っていう“個”がものすごく強烈な選手がいて、彼が牽引するチームでした。今年は、工藤だったり山口竣平だったり、鈴木琉胤や1年生だったり、5、6人が前を引っ張っています。昨季よりも厚みのあるチームになってきたのかな。“矢”が“大砲の弾丸”になったようなイメージですね。
――三本の矢どころか、ちょっとやそっとじゃ折れそうもありませんね。
そうですね。三冠を達成した年(2010年度)の少し前には、竹澤健介君(現・摂南大ヘッドコーチ)がいたじゃないですか。在学中に北京五輪に出場した学生長距離界のトップ選手でしたが、そんな選手を擁しても、箱根駅伝では優勝に届かず、総合2位が最高位でした。
でも、竹澤君がいたことで、彼に強い憧れを持った強い選手が集まり始めて、卒業した2年後についに優勝を成し遂げました。その時と同じような雰囲気、流れになってきたのかなと思いますね。
竹澤君も卒業後に早稲田を拠点にしていましたが、山口智規も同様です(オーストラリアのメルボルンを拠点にしつつ、日本にいる時には早稲田で練習をしている)。強い選手が同じ環境にいて、時々一緒に練習できるのは大きいですね。“自分がトップではない”ことを実感させられ、もっともっと上を目指すようになりますから。













