「本気」なのか、「わざと」なのか…
「運動神経悪い芸人」に出演するナイツ・塙宣之については、小中学校時代の同級生である作家・教育者の坪田信貴氏が、塙がかつてサッカーのゴールキックで豪快に空振りし、頭を打って保健室に運ばれたエピソードを明かしたこともある。
出演者本人は本気で取り組んでいても、その不器用さを番組が最大限面白く見せた結果、画面越しには「わざと」に映ってしまうこともあるのだろう。
実際、SNSにも「三島は真剣にやってもこの踊り方なんだと思う」「できないことを真面目に頑張っているのに、わざとだと言われるのはかわいそう」と擁護する声がある。
つまり、本当に下手なのか、それとも演技なのか――という二択だけで、この企画を論じるのは難しい。
そもそも『アメトーーク!』は、芸人の運動能力やダンス力を正確に検証する番組ではない。編集やナレーションなどの演出によって、“できない姿”を笑いに変えるバラエティである。
そう考えれば、「本当にあんな動きになるはずがない」と目くじらを立てるのは、少し野暮かもしれない。
ただ、かつては素直に笑えた“お約束”が、「またこれか」「さすがにやりすぎ」と感じられるようになった視聴者がいることも事実だ。
番組の演出が過剰になったのか。それとも、長年見続けてきた視聴者のほうが、その“お約束”を笑えなくなったのか。
もし後者だとすれば、それは企画の限界というより、視聴者自身が『アメトーーク!』から卒業するタイミングなのかもしれない。
文/ノブユキ



















