高野玲菜という「シンデレラストーリー」

坂上さんは、高野が入門した初日から、プロテスト、デビューまでを追ってきた。

「新しい人が3年ぶりに入ってくるということだったので、『どういう人なんだろう』という興味はありました。でも、ここまで注目されるとは思っていなかったです」

高野(左)のデビュー前日には里村明衣子社長(右から2番目)自ら練習相手を務めた (画像/YouTube『仙女魂/日本武道館への道』より)
高野(左)のデビュー前日には里村明衣子社長(右から2番目)自ら練習相手を務めた (画像/YouTube『仙女魂/日本武道館への道』より)

入門後、高野は急速に注目を集めた。

「かわいらしいんですけど、ピュアな素直さとか、ひたむきさ、屈託のない笑顔、どんどん吸収して成長していく様子を見るのが楽しい」

そんな高野を坂上さんは当初、どちらかというと“天才肌”だと思っていたという。

「プロテストを見ても、ちゃんとこなしているから、もともと運動ができるタイプなのかなと思っていたんです。でも話を聞いたら、センダイガールズの入門テストを受ける1年くらい前は腕立て伏せを1回もできなかったらしいんですよ」

そこから約1年間、身体を作り、練習を重ね、入門テストに挑んだ。

「それぐらい努力して入門に挑んだと知って。ものすごい努力家なんだなと思いました」

そんな高野自身も「仙女で日本武道館に行くこと」を目標に掲げ、公開プロテストの最後にはこう叫んだ。

〈高野玲菜、茨城県出身。私のプロレスラーの目標は仙女で日本武道館に行くことと、たくさんの、夢を、叶えることです。よろしくお願いします〉

橋本が口にし続けた夢が観客に届き、その観客がレスラーとなり、今度は同じ夢を口にする。こうした物語もまた『仙女魂』の魅力の1つだ。

「プロレスラーになる前から成長を見てもらえるというのは面白いですよね。入ってきたところから知っているから、その後に何かできるようになったときにも意味が出てくる」

坂上さんがそう語るように高野の物語は、YouTubeだからこそ生まれた“成長を見守る”という新しいプロレスでもある。

では、その仙女という団体の中心にいるのは誰なのか。坂上さんの答えは明快だった。