0歳からのオルカン積立で「18歳時に約2300万円」の可能性

こどもNISAは国民にとって素晴らしい制度であるが、一方で「親の経済力やマネーリテラシーによって、若者の格差をさらに広げるのではないか」という懸念が示されている。

今年3月5日の衆議院本会議において、中道改革連合の大森江里子議員は次のように指摘した。

「今回拡充される投資枠に拠出するのは、実質的に資力のある親や祖父母であり、結果的に格差の固定化につながるのではないかとの懸念もあります。与党の令和8年度税制改正大綱では、『格差の固定化につながらないよう配慮しつつ』と書かれていますが、 具体的にはどのような方策をお考えか」

これに対し片山さつき財務相は、「格差の固定化につながらないよう配慮し、年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円と、18歳以上よりも低い限度額を設定しております」と説明した。

片山さつき財務大臣(画像/本人Xより)
片山さつき財務大臣(画像/本人Xより)

つまり政府も、親や祖父母の資金力によって子どもの資産に差が生まれる可能性を、制度設計の段階から意識していたことになる。

だが、非課税枠の金額が少ないからといって本当に格差は限定的なのだろうか。

そこで大人向けのNISAで人気となっている、全世界株式インデックス(いわゆるオルカン)に連動する投資信託の過去実績で試算をしてみると、驚くべき結果が出た。

全世界株式(MSCI ACWI)に連動する投資信託を0歳から年間60万円(月5万円)を上限の600万円に達する10歳まで積み立て、その後は追加投資せずに18歳まで複利運用を続けたとする。

その場合、運用益を含めた資産額の中央値は「約2300万円」にのぼる(※過去20年の実績値・年率リターン10.5%・リスク18.6%に基づく計算であり、将来の成果を保証するものではありません。また相場には暴落がつきもので、取り崩し時にそのタイミングが重なる場合もあります)。

あくまで試算に過ぎないうえ、もちろん元本割れのリスクもあるが、親がこどもNISAの非課税枠をフル活用できた子どもは、18歳の時点で約2300万円の資産をすでに手にしている可能性があるというわけだ。

一方で、親に経済的な余裕がなかったり、投資の知識がなかったりして、それを手にすることができない子どもがいる。それどころか、数百万円の奨学金という借金を背負うケースも珍しくない。

18歳で2000万を超える格差――そんな未来予想は、決して大げさではない。