列車見張員が列車に向けて手旗で「列車接近了解合図」を送ったが…
現場には作業を統括する「作業指揮者」が必ず置かれ、今回も例外ではなかった。
佐藤部長は「作業指揮者は列車見張員同士がしっかり意思疎通が確認できる場所に配置されているということを確認した上でないと作業はしてはいけない」と、当然の原則を説明したが、列車が近づく中で見張員間の連絡途絶が実際に起きていた。
さらに、列車の運転士の証言では、2人の見張員のうち、より事故現場に近い列車見張員が、列車に向けて手旗で「列車接近了解合図」を送ったという。
この合図は「(作業員)全員の退避が完了し、列車の通過に支障がないことを確認した後に」(同社マニュアル)列車に送られるもので、これを見た運転士は当然安全確認ができていると受け取るはずだ。
事故直前、列車接近了解合図を見た運転士は規則に従い、確認したとの意味の警笛を一瞬鳴らし新鹿沼駅上りホームへの接近を続けた。そこに、退避していない4人の作業員がいた――。
にわかには信じがたい了解合図の発出。列車見張員から聞き取りができていない東武鉄道は「私たちも、なぜその状況で列車接近了解合図が上げられるんだというところは非常に気になっているところではあるんですけれども…」(佐藤部長)と、説明ができない状況だ。













