市場の鈍化と価格競争というダブルパンチ

menuは2019年4月にテイクアウトからサービスの提供を開始。約1年後にデリバリーなどに本格参入し、新型コロナウイルス感染拡大による需要増で利用者を拡大した。

2023年4月にKDDIが過半数の株式を取得。合弁事業体制に移行した。市場が旺盛に伸びていたころだ。menuは2024年上期にデリバリーアプリ新規ダウンロード数で第1位を初めて獲得している。

KDDIによるサービス終了の発表(KDDIニュースルーム)
KDDIによるサービス終了の発表(KDDIニュースルーム)
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しかし、2025年に入ってフードデリバリー市場はダブルパンチを浴びることになる。1つは市場の鈍化。もう1つがロケットナウ参入による低価格化だ。

外食・中食市場情報サービスを提供するサカーナ・ジャパンによると、2024年のデリバリー市場は前年比6.1%減の8078億円だった。2025年は同2.0%増の8240億円でプラスに転じたものの、2023年の8603億円には及ばない。

そして、2025年の市場が伸びたのは、一部のサービスで配送料無料などの施策が増え、競争が激化したためだと言われている。これが2つ目の低価格化である。

韓国のEC大手クーパンは、2025年1月にロケットナウで日本のフードデリバリー市場に殴り込みをかけた。注文者側の配達手数料が無料という、当時は常識外れのサービスだった。サービス開始から15か月で500万ダウンロードを突破。価格を武器に新規ユーザーを次々と開拓していった。

2026年2月にウーバーイーツも料金で対抗した。サブスクリプションサービス「Uber One」に加入する会員を対象に、1200円以上の注文であれば配達手数料と注文時にかかるサービス料を無料としたのだ。

手数料の無料化がいかに企業を消耗させるかは、出前館の決算を見るとよくわかる。同社は2026年3月から一部店舗で配達手数料を無料化した。

2026年3月~5月の売上高は前年同期間比で11%も増加し、103億円となっている。しかし、同じ期間の売上原価は109億円なのだ。

出前館は自社が送料を負担していると明記している。利用者を増やすためには価格を下げる必要があるいっぽう、注文が増えれば配達員への支払いも膨らむ。フードデリバリー各社は、まさに消耗戦へと突入しているのだ。

北欧発のフードデリバリーサービス「ウォルト」は2026年3月に日本市場から撤退している。そしてmenuも看板を下ろすこととなった。