「国は正しい方向に進んでいる」と考える人、61%から52%へ
政府系世論調査機関FOMの2026年6月調査では、親族や友人、同僚など「周囲では不安な空気が優勢だ」と答えた人が55%に達した。前年同時期は40%だった。
独立系レバダ・センターの調査でも、プーチン支持率は5月の79%から6月には74%へ下がり、不支持は15%から21%へ増えた。「国は正しい方向に進んでいる」と考える人も61%から52%へ減った。
それでもプーチンの支持率は高く、明らかな政権崩壊が迫っているわけでもない。だが、戦争を遠い出来事として扱うことで保たれてきた安心感は失われている。
燃料不足が長引けば、給油所の不便だけでは終わらない。製油所が止まれば、農業、物流、工場にも影響が及ぶ。前線や基幹産業への供給を優先すれば、不足のしわ寄せは一般の消費者と民間企業へ向かう。
ロシアの失業率は2.2%と低い。しかし、これは景気のよさだけを示す数字ではない。軍や軍需産業への人員移動、国外流出、高齢化が重なり、働き手そのものが不足している。
こうした状況なら、停戦へ傾くのが普通だと思うだろう。ところがプーチンは逆を向いている。
自分が敗北者に見えない終わり方を探すプーチン
ロイターは、クレムリンに近い匿名情報源の証言として、現在の戦線で停戦する妥協案を示した側近らをプーチンが叱責したと報じた。公式記録ではないため慎重に扱う必要はあるが、プーチン本人もドンバスなど4州の完全支配という目標を下ろしていない。
ロシア側は、ウクライナにNATO加盟断念、軍備制限、領土譲歩を求めている。交渉のために要求を調整するのではなく、戦場で得られなかったものを交渉で取ろうとしている。
理由は明白だ。十分な戦果がないまま停戦すれば、なぜ多数の兵士が死傷したのか、なぜ制裁を受け入れたのか、なぜ生活が苦しくなったのかという問いがプーチン自身へ向かう。
本人がそう語ったわけではないが、これは政権の政治的利害から導かれる分析である。それでも、プーチンが単に和平条件を探しているのではなく、自分が敗北者に見えない終わり方を探していることは、行動から読み取れる。
ところが、その終わり方は戦争が長引くほど遠ざかる。燃料不足は広がり、財政赤字は膨らみ、国民の不安も増す。それでも戦争を止められない。
最大の難問は兵士である。米戦略国際問題研究所(CSIS)の分析をみてみよう。













