国民を乗せたまま突き進む、地獄のデスロード
その先にあるのは勝利への道ではない。自分で出口を塞ぎ、国民を乗せたまま突き進む、地獄のデスロードである。
歴史を振り返れば、追い詰められた権威主義体制が理性的な撤退を選んだ例は多くない。むしろ失敗の証拠が積み上がるほど、指導者は撤退の代償を恐れ、賭け金を釣り上げてきた。
プーチンもその轍を踏みつつある。燃料不足も、財政赤字も、兵員不足も、本来であれば停戦へ向かう十分な理由になるはずだった。だが、自ら掲げた戦争目標が、その出口を内側から塞いでいる。
ゆえに注視すべきは、支持率の数字そのものではない。数字が下がったとき、彼が何を選ぶかである。譲歩か、それとも一段の暴発か。ロシア国内に走り始めた亀裂は、和平の兆しであると同時に、エスカレーションの引き金にもなりうる。
地獄のデスロードは、ロシア国民だけを乗せて走っているのではない。その進路の先には、日本を含む国際社会が立っている。
文/小倉健一













