米子市の小学校では「オレンジ色」の水着を推奨

では、学校水着やラッシュガードの色は本当に「黒や紺」である必要があるのか。文科省は、水泳授業で使用する水着について「水中での動作が行いやすいものを使用する」と示しているが、色や形状については言及していない。

そのため、学校ごとに「黒や紺」「華美でないもの」「フードやチャックがないもの」などと定めているケースは少なくない。

MOON-X Japan株式会社 ケラッタカンパニーが展開する、ベビー・マタニティブランド「ケラッタ」が2025年に実施した調査によれば、水泳授業の水着について「学校指定なし」と回答した保護者は27%に上り、「学校指定あり」(18%)を上回った。一方で、「指定はないが『派手でないもの、黒・ネイビー』といった条件がある」とする回答も20%あった。

水泳授業の水着について、「学校指定なし」と回答した保護者は27%で、「学校指定あり」の18%を上回った(写真/PhotoAC)
水泳授業の水着について、「学校指定なし」と回答した保護者は27%で、「学校指定あり」の18%を上回った(写真/PhotoAC)

安全性の観点から、あえて目立つ色を推奨してきた自治体もある。鳥取県米子市だ。市の担当者は次のように説明する。

「市の小学校でオレンジ色の水着を推奨するようになったのは、少なくとも30年以上前からだと把握しています。市内の小学校で起こった水難事故を受け、当時の関係者の方が水着の視認性について協議をされた結果、オレンジ色の水着を推奨するように至ったのではないかと伝え聞いています」

米子市役所(写真/PhotoAC)
米子市役所(写真/PhotoAC)

担当者によれば、安全性の観点からあくまでも「推奨」する形だという。

一部の研究によれば、オレンジ色は水中でも目立ちやすいことが実証されているという。担当者は、「(オレンジ色の水着によって)視認性が上がることを信じてやっています」とした上で、「今後もこの方針を継続していく」と話す。

ライフジャケットもオレンジ色のものが多いのは、視認性のためと言われている(写真/PhotoAC)
ライフジャケットもオレンジ色のものが多いのは、視認性のためと言われている(写真/PhotoAC)
すべての画像を見る

夏の高温化や教員の負担軽減などの観点から、学校における水泳授業のあり方自体が揺らいでいるなかで、安全性と合理性の両立をどう図るのか。学校用水着やラッシュガードのルールの在り方が問われている。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班