『めちゃイケ』終了後に必然で生まれた番組『アイカタ』とは
—片岡さんが『アイカタ』を始められた経緯は何だったのでしょうか。
片岡飛鳥(以下同) 私が長年携わっていた『めちゃイケ』が終わったのが2018年。フジテレビを離れたのが2022年。その後、2024年春に特番として初めて放送した『アイカタ』に登場したのは、かつて『めちゃイケ』でADをしていた「カマタ」でした。今や立派なディレクターとしてMAZZELのYouTube(※注1)なども制作する彼は「愛する妻の寝起き」を撮って驚かせてくれました(笑)。
『アイカタ』は「大切な人の【イイところ】を撮ってきて」という番組ですので、カマタにもまずアイカタである妻の【イイところ】を聞いたら「ガサツなところ」って(笑)。想像とはちょっと違ったんですよね。もっと「優しい」とか「気が利く」とか言うのかなと思ってた。
でもしばらくインタビューしてるうちに、「ガサツ」が「おおらか」っていう言葉に変わっていった。今シーズンの初回に出演したエバースさんもそうですよね。撮影者である佐々木さんの考えるアイカタ・町田さんの【イイところ】は「怒らないところ」で始まったんだけど、中盤でそれが「優しい」に変換されていく。
すると佐々木さんはいつしか自分自身のことを話し出す。町田さんのことを喋っていたはずなのに「こんな自分と10年、町田は揉めないでコンビを組んでいてくれている」という言葉に変わる。
—撮影者の漠然としていた心の中が徐々に言語化されていく。
最初はそのことに気づいてなかったんですけど、撮影者のアイカタを知るはずの番組でありながら、何よりも撮影者本人のことを知る番組でもあった。アイカタの【イイところ】を考えるということは、同時に自分の【ダメなところ】を含めた人生観を省みることでもあったというか。
—番組の中で「佐々木」は「ササキ」、「町田」は「マチダ」とカタカナ表記に統一されていますよね。
そういうのは最初は直感だけでやってるんで…理由はだいたい後付けで考えます(笑)。
うーん…数学的に言えば、たとえば「加藤浩次」をどんどん因数分解して「人気タレントの」とか「ベテラン司会者の」とかいった肩書きのようなものをどんどん削ぎ落としていくとシンプルなカタカナの「カトウコウジ」になる感じ。
もう割り切れない素数?骨格?みたいな。「カトウコウジ」という“ただの人間”というか…ほら病院の待合室で「カトウさん、カトウコウジさん!」って呼ばれる時はそこにいる人はみんな肩書きもキャリアも取っ払った“カタカナの人たち”じゃないですか…サイゼリヤの順番待ちのリストに書く名前もカタカナ、みんな平等に並んでる(笑)。
そういう私もちょっと前まで「フジテレビの片岡飛鳥」だったんですけど、会社を離れるといろんな属性が削ぎ落とされて、ただの人間「カタオカアスカ」になっていくような感覚があったんですよね。
自分を取り巻く“人物相関図”もサラリーマン時代とは大きく変わり、今一緒に仕事をしてくれている人たちは「カタオカアスカ」に興味を持ってくれているように感じます。その結果、私自身も『めちゃイケ』をやっていた時以上に人と人の関わり合いというか、その関係性に強く心が惹かれるようになって…そういう意味ではこの『アイカタ』という企画が生まれたのも必然だったのかもしれません。














