「月収100万クラスなのに口座は160円」

これに対して弁護側は冒頭陳述で、高野被告は大学中退後に就職したものの人間関係を理由に退職、統合失調症の診断を受けて月7万円の障害年金を受給しながら生活していたことを明らかにした。ライブ配信サイトで知り合った佐藤さんからLINEの交換を提案され、1か月も経たないうちに直接会おうと誘われて山形県内のキャバクラに通って総額77万7,420円を支払った。

トラブル前の高野被告と佐藤さんのLINEのやりとり(知人提供)
トラブル前の高野被告と佐藤さんのLINEのやりとり(知人提供)

その後も佐藤さんから「バイト先に財布を忘れてしまい取りに行けない。手持ちがない」「キャバクラの店長からの圧力で10万円のシャンパンをおろせと言われた」「携帯代が払えない」といった理由で借金を申し込まれ、23日間という短期間に約254万円を貸した。

この際佐藤さんは、高野被告に消費者金融で金を借りて自身に貸すよう求め、当初は「大好き」などのメッセージを返していた。しかし、佐藤さんから返信がこなくなったため、高野被告はSNSを通じて佐藤さんに返済を求め、一度だけ、3万円が返済された。

佐藤さんと高野被告のやりとり
佐藤さんと高野被告のやりとり

佐藤さんはライブ配信をやめたが、高野被告は佐藤さんが借金を返済してくれると信じていたので、毎月1度は通帳に記入をして返済の有無を確認していた。一度、佐藤さんに電話をしたところ、途中で元婚約者の男性が代わりに出てきて「ライブ配信をしたいので、佐藤のことをSNSに書かれては困る」と告げられた。

その翌日、警察に相談し、民事訴訟を起こして佐藤さんの口座を差し押さえたものの、口座の残高は160円しかなかった。佐藤さんは、ライブ配信アプリで月収100万円クラスのランクに位置付けられていた。しかし、収入を差し押さえることもかなわず、佐藤さんの配信を見て襲撃を決意した。

弁護側は犯行内容については争うことはせず、以上の情状面を考慮した上での量刑判断を求めた。