死体を大鍋でじっくりコトコト煮込んだ結果は……

実際、過去には知人を殺害した20代男性が、死体を業務用の寸胴鍋に押し込み、そこにパイプ洗浄剤(強アルカリ性薬剤)を大量に投入。鍋を火にかけ、一昼夜かけて死体を煮溶かそうとした事件がありました。

けれども、どれだけコトコト煮込んでも、成人男性の肉体を完全に溶かしきれなかったため、諦めた犯人は大きな骨だけ取り除き、鍋の中身を浴室の排水管に遺棄しました。

骨は砕いて河原に埋めたそうですが、警察が浴室に流した「死体のスープ」が貯蔵される汚水槽を探し、そこから被害者のインプラント(人工歯根)のネジを発見したことで、殺人・死体損壊・死体遺棄容疑で逮捕されました。

このように、殺人の証拠=死体を跡形もなく消すことは非常に困難な作業です。

白昼堂々、重機で死体損壊に勤しむ大阪のヤクザ

過去に、ヤクザ同士が1人の女性を奪い合い、そこから発展した殺人事件の死体解剖を担当したことがあります。あるヤクザの組長が、出所した直後に別のヤクザを「処刑」したという事件でした。

どうやら組長が服役中に、彼の妻(愛人?)が別の組員と恋仲になったらしく、「俺の女に手を出しやがって」と激怒した組長が、出所後に男を拉致してうしろ手に腕を組ませ、後頭部を撃ち抜いて射殺。

さらに、その遺体を処理するために、死体をわざわざ関西から鳥取に運び、ドラム缶に入れたあと河川敷に重機で大きな穴を開けて、そこにドラム缶を埋める事件が起きたのです。

白昼堂々、ユンボ(ショベルがついた重機)を使っての死体遺棄というあまりにも大胆な犯行でしたから、「あそこで工事をしているんだな」と誰にも疑われることはなかったのです。

写真はイメージです
写真はイメージです

しかしそれとは別で、ある駅のコインロッカーから発見された拳銃の持ち主を探したところ、この組長に行き着き、殺人事件が発覚したという経緯でした。

私もドラム缶が埋められた河川敷に同行して、掘り起こしに立ち会ったのですが、みつかった死体はドラム缶ごと重機で押し潰されていたため、死因となった頭の銃弾以外にも体のあちこちが骨折していました。

ドラム缶に入れたのは本気で隠蔽しようというよりは、運んだり埋めたりするのであれば、そのままの死体よりもドラム缶に入れての作業のほうがスムーズだろう、くらいの安易な発想だったのかもしれません。

この事例では、死体が土中に埋められていたことで証拠が保たれ、その結果死因を解明することができました。