自分と同じく「感覚派だな」と思う騎手は
――ご自身を「感覚派」という言葉で表現されていましたが、戸崎さんから見て、「この人は理論派だな」と感じるジョッキーはいますか。
すぐに思い浮かぶのは、現役時代の福永祐一さん(現調教師)ですね。レース前は競馬新聞をしっかり見て、書き込みとかもされていて。僕なんてあんなことやったらレースに乗れないなって思うぐらい、すっごい研究してるんですよね。びっくりします。
――戸崎さんは、新聞などはあまり見ないのですか。
見ないこともないんですけど、あまり情報を入れすぎちゃうと臨機応変に対応ができなくなって、うまくいかないことが多いんですよね。だったらもう、できるだけフラットな状態でいって、感じるままに乗ったほうがいいっていうのは、自分で見つけたことかなと思いますね。
――それは、乗ってみて、動かしてみて、の感覚を信じるということですか。
そうですね。考えるっていうよりは感じてやる、みたいな。考えちゃうとだめなんですよね。
――逆に、戸崎さんと同じように「この人はすごい感覚派だな」という方はいらっしゃいますか。
岩田さん(岩田康誠騎手)ですかね。
――どのあたりでそう感じますか。
レース後に二人で話しているときとか、傍から聞いている人はまったく内容がわからないみたいなんですよ(笑)。「ドキュン」とか「バキュン」とか、感覚的な擬音が多いみたいで。
――それで通じ合うんですね。
それでしか通じ合えないです(笑)。逆に難しいこと言われてもわからないですからね。
(後編に続く)
取材/集英社オンライン編集部 撮影/村上庄吾
やり抜く力: 天才じゃなくてもトップになれた「ベリベリ」シンプルな理由
戸﨑圭太
2026/3/26
1760円(税込)
232ページ
ISBN: 978-4054070868
★★★まわり道も、失敗も武器になる! トップジョッキー 戸﨑圭太 初の著書★★★ 勝負師の極意はもちろん、名馬たちとのエピソードや あの迷言「ベリベリホース」誕生秘話も必見! ◆麒麟・川島明さん推薦!◆ あの名馬の背中に戸﨑さんと相乗りさせてもらってるような臨場感。 これは競馬ファン必読のベリーベリーブック! ●順風満帆ではなかった、トップへの道 地方競馬からキャリアをスタートし、努力と結果で日本競馬のトップに上り詰めた騎手・戸﨑圭太。 大井競馬場で頭角を現した後、JRAに参戦し、数々のビッグレースで結果を残してきました。現在も第一線で活躍し続けるその姿は、多くの競馬ファンから厚い信頼を集めています。 しかし、その歩みは決して華やかな成功譚だけではありません。 勝てない若手時代、落馬による大怪我と長期離脱、中央移籍の壁、好成績の裏にあったスランプ――。 トップジョッキーとして知られる戸﨑圭太の裏側には、数えきれないほどの試行錯誤と耐え抜いた時間がありました。 ●迷い続けた先に見つけた「勝ち続ける考え方」 本書は、戸﨑圭太がこれまでの騎手人生を振り返りながら、挫折や遠回りをどう受け止め、どう力に変えてきたのかを語る一冊です。 馬とは縁のない家庭環境から競馬の世界に飛び込むことに不安はなかったのか? 結果が出ない時期をどう乗り越えたのか? 大怪我やスランプの中で、何を考え、どんな行動を選んできたのか? 人生のターニングポイントを通して、勝負の世界で生き抜くための思考法や、名馬たちとのエピソード、海外遠征で生まれた【あの迷言】の舞台裏など、人間・戸﨑圭太の素顔に迫ります。 競馬ファンはもちろん、スポーツや仕事に向き合うすべての人に通じる「考え方」が詰まった1冊です。