「最初に学校へ相談したときは断られました」
朝食提供の動きは小学校に限らず、欠食率の高い中学校にも広がりつつある。
沖縄県石垣市で活動する子育てサポート団体HUGs(ハグス)は、市内の中学校で朝食提供事業を行なっている。担当者は次のように話す。
「私たちは2024年から沖縄県から委託を受けた『寄り添い支援事業』の一環としてヤングケアラーや困難を抱える世帯への支援に取り組んでいます。支援活動の中で、より地域と連携した形を取りたいと考え、始めたのが朝ごはんの提供です」
当初は自治会でスタートしたが、学校とのつながりも作りたいと考えた。学校に依頼したところ、石垣中学校の校長が小学校での実践経験を持っていたこともあり、「中学校でもぜひやりたい」と意気投合。
団体と学校、石垣市、地域ボランティアなどが課題や目標を共有しながら取り組みがスタートしたという。
運営は地域企業からの食材提供や、HUGsの事業費の一部を活用して行なわれている。
「毎週1回の実施で、平均50人ほどの生徒さんが参加しています。企業から提供されるシリアルのほか、ごはんやスープ、いただいた野菜があればチャンプルーにしたり、冬ならおでんにしたりして提供しています。
部活の朝練後に参加できて助かるとか、みんなで朝ごはんが食べられるのが楽しいといった声が聞かれます」
運営にあたっては苦労もある。
教員やPTAらへは協力を求めない方針とし、HUGsと企業、ボランティア、民生委員が中心となって毎週の活動を支えている。目下の課題はマンパワーの確保と仕組み作りだという。
「子どもたちのために何かしたいという大人がいるんです。最初に学校へ相談したときは断られましたが、石垣中の校長先生が受けてくださったことでガラッと学校の受け方が変わりました。
『うちでもやってほしい』という依頼や、離島からの相談も寄せられています」
担当者は、今後も改善を重ねながら続けていきたいと話した。
取材を通して見えてきたのは、こうした朝食提供は、大人たちの思いやりから始まっているケースが少なくないという点だ。
朝、子どもと一緒に食卓を囲めるゆとりが社会に求められていることは確かだが、朝食欠食にはさまざまな要因がある。
子どもたちが健康な生活を送るためには何が必要なのか。社会全体での議論が求められている。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













