子どもたちからは「学校に行くのが楽しい」といった声も

また、大阪府泉佐野市では「こども朝食堂」事業に取り組んでいる。市のこども部子育て支援課の担当者は次のように話す。

泉佐野市役所(写真/PhotoAC)
泉佐野市役所(写真/PhotoAC)

「令和4年度のタウンミーティングにおいて、通学の見守りを行なう地域の方々から『家の事情で朝ごはんを食べずに登校する子がいるので、なんとか食べさせて学力や体力をつけさせてほしい』との声が寄せられたことを受け、こどもの成長と学習を支えることを目的にこども朝食堂事業を開始しました」

現在、市内の小学校13校全てで実施。各小学校の家庭科室で基本は週2回、始業前の時間帯に児童へ朝食を提供する。参加費は無料だ。委託事業者は公募型プロポーザル等で選定し、現在5団体が実施運営している。

市の担当者は「人件費や食材費、その他容器代などの物価も高騰しているなか、算定根拠の見直しが必要であると考えております」としたうえで、令和8年度以降も継続して実施する方針だと話した。

さらに広島県でも、平成30年度から「朝ごはん推進事業」に取り組んでいる。

広島県庁(写真/PhotoAC)
広島県庁(写真/PhotoAC)

「もともとは平成30年度から事業を実施しています。当初は全県へ拡大していく予定でしたが、コロナ禍を挟み、モデル校3校のうち2校で活動再開が難しくなってしまいました」

担当者によればそれから1校のみで継続していたが、昨年度新たにもう1校が加わったという。

実際の活動は地域のボランティアの協力が前提となるため、県の意向だけで全県的に拡大していくのは実質的に難しいのが実情だという。

だが、取り組みによって着実に変化がみられるという。

「アンケートを実施したところ、子どもたちからは『学校に行くのが楽しい』『友達と一緒に朝食を食べるのが楽しい』といった声がありました。保護者からも、子どもが『こんなものを食べたよ』と話し、家庭でも同じメニューを試すなど、朝食の大切さを子ども自身が意識するようになったという声が届いています。

また先生方からも、遅刻が減ったとか、授業への集中力や発表の頻度が高まったと感じるといった意見が寄せられています」

県がホームページで公表している子どもたちの朝食欠食の現状によれば、小学5・6年生が朝食を食べない理由として「食欲がない」という回答が51.7%を超え、朝食が用意されているにもかかわらず「生活習慣の乱れ」が朝食欠食の背景にある可能性が指摘されている。

県は今後、「子どもの居場所づくり」として分野を広げ、朝ごはん事業に限らず、子どもが安心して過ごせる居場所の拡充を目指すとしている。