トランプが求めてくる「同調」とは

第三に、「対中戦略でのより明確な同調」である。半導体・レアアース・AIなど戦略分野での対中依存削減を数値目標として求め、輸出規制の共同強化を迫ることが考えられる。

特に対中国の観点から、レアアースを一定価格で買い取ることを決める貿易圏構想に対する同調が求められるはずだ。その場合、欧州諸国が同構想に同調する前に、日本が一歩前に踏み出す形となるだろう。

トランプが高市首相に突きつける「5つの要求」…軍事費GDP3%、憲法改正、対中同調まで 日米首脳会談の核心_2

さらにカナダ主導の、米中双方から距離を取る新たな国際枠組みへの不参加を求めるなど、米国の影響力が及ばない多国間枠組みを警戒する姿勢も懸念される。日本にとっては外交の選択肢を狭めるリスクがある一方、米国との関係を優先することで得られる安全保障上の利益も無視できない。

「憲法改正」を求めてくる可能性

第四に、「憲法改正」を求められる可能性がある。台湾有事における日本の役割について、従来の“曖昧さ”を排し、後方支援や基地使用の明確化を求めることが狙いだ。

高市首相が自民党単独で衆議院3分の2を得たことで、「憲法9条改正」はより現実的な課題となった。トランプ政権は、台湾有事における日本の行動制約が米軍の作戦に影響することを懸念しており、法的制約の緩和、すなわち憲法改正を含む制度改革を求める可能性がある。

実際、2月頭に筆者が米国を訪れて共和党保守派の会合に出席した際も憲法改正に関する議論が活発に行われた。通常、憲法改正要求は内政干渉になる話だが、トランプ大統領は平然と求めてくるかもしれない。

これは日本の安全保障政策の根幹に関わる問題であり、国内政治の大きな争点となることは避けられない。

第五に、「通商・エネルギー分野での米国優先の徹底」である。トランプ大統領は貿易赤字の是正を重視し、日本の自動車産業を繰り返し問題視してきた。しかし、最高裁判所によって一部の関税権限を否定されたことから、トランプ大統領は自らのメンツを回復する必要に迫られている。