「年収は低いけど、見た目はイケてるのかなって」(中川)「ずいぶん、ポジティブですね(笑)」(大久保)
大久保 マッチングアプリには女性に求める条件も入力すると思うんですけど。中川さんはどんな条件をアップしているんですか。
中川 僕はかなり少ないですよ。年齢は55歳くらいまで、住んでいる場所が東京か地元の北海道であること、くらいです。
大久保 年収とかは書いてないんだ。じゃあ、いつでも扉は開いている状態ですよね。あとは、そこに女性が飛び込んできてくれるかどうか。
中川 マチアプには“足あと機能”がついていることがあって。「いいね」を押さなかったけど、僕のプロフィールをこんな人が見にきましたよっていうのがわかるんですよ。その、足あとがついているだけでも嬉しいんですよね。僕なんかは、年収をはじめとするスペックが低いからこそ、「いいね」を押してはもらえなかったけど。
足あとがついたということは、写真を見て「素敵だな」と思ったからプロフィールを確認したわけで。外見は良いと思ってもらえているのかな〜、結構イケてる部類なのかな〜って。
大久保 ずいぶん、ポジティブですね(笑)
――今まで様々な婚活を経験してきましたが。中川さんの結婚したい気持ちは今も変わらない感じですか?
中川 いや〜、最近はそれもちょっと、どうなのかなって気持ちになってきて。「家族を作りたい」っていうよりは、「グループに所属したい」という気持ちに近いのかもしれません。
大久保 えっ、グループ?
中川 なんて言うのかな、僕は漫画家だから、事務所とかに所属することもなく完全に一人でやっているんですよ。でも、大久保さんは友達が多いじゃないですか。仕事現場には芸人仲間がいるし、地元にも同級生の友達がいるし。
大久保 まあ、つるんでいるメンツはずっと変わらないですけどね。
中川 こう言ったら失礼なのかもしれないですけど。僕、大久保さんにシンパシーのようなものを感じていたんですよ。面白いなと思うところが似ているなと思ったり。大久保さんは親御さんの介護をしてらっしゃいますけど、僕ももうすぐそのフェーズに突入しそうですし。独身ということをはじめ、境遇とか性質とか似ているところが多いなと。でも、明らかに違うところもあって……。
それが、性別と年収、そして、友達がいることなんですよ‼︎
大久保 なんか、申し訳ないですね。年収が高くて、友達が多いっていう、すごく幸せ指数が高いものを持っちゃって(笑)。でもね、たまに一緒に美味しいものを食べたり、一緒に笑い合える友達はいますけど、基本は一人ですよ。
で、これが「グループ」にどう繋がるのかな? 一人という状況が大変ってことなのかな? 他人と一緒にいたい気持ちが高まっているのかな?(笑)
中川 そうです、そうなんです。で、それを解消するなら、別に「家族」じゃなく「グループ」でもいいのかなって。
大久保 50歳から……どういうグループが想像できますかね?(笑)
中川 たとえば、大久保さんがエッセイに書いていたシェアハウスとか。
大久保 たしかに、ちょっと前に「老後は女性の芸人仲間と一緒にシェアハウス入りたい」って、そんなことを書いた気はしますね。これは独身あるあるだと思うんですけど。一人の時間が長いと、自分のペースやルーティンが確立されて、自分だけの空間が完成してしまうから。
そこに他者が入ってくることが想像できなくなるというか。その心地よい状態を乱されるくらいなら「もう一人でいいよ!」と。寂しくなったときだけ、共有スペースで誰かと話ができる、シェアハウスくらいが丁度いいのかなって、当時の私は思っていて。
中川 僕の場合は普段から、他者との関わりがほぼ皆無なので。とにかく、誰かと繋がりたい思いからのシェアハウス希望なんですけど。たまには誰かと交流したい、話したい、言葉をちゃんと発したい……。
(以下、後編に続きます)
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取材・構成/石井美輪 撮影/露木聡子 スタイリスト/野田奈菜子
※「よみタイ」2026年3月15日配信記事















