「それはもう地球が割れるような感じだよ」
オリジナルは、同年にアメリカのR&Bガールズ・グループ、エキサイターズが歌ったもので、作詞作曲を手掛けたのはロネッツの『ビー・マイ・ベイビー』などで知られるソングライター、ジェフ・バリーとエリー・グレニッチだ。
「ピーピピーピピピ、ピーピーピー♪」という単純なイントロから始まり、オンビート気味のリズムを刻みながら2つのコードを行き来し、およそ3つから4つの音だけで構成されたメロディが繰り返される。
複雑で頭の良さそうな音楽とは無縁のシンプルさが、甲本の心を掴んだのだ。
「だって0点でいいんだもん。運動もできなくていいんだ。喧嘩も弱くていいんだ。性格も悪くていいんだ。「ピーピピーピピピ、ピーピーピー♪」には人として何か超えなければならないハードルが何もないんだよ。それがさ、公共の電波に乗っかって堂々と流れてくるんだぜ。その痛快さたるや、たまらないよ。その音が自分に与えた衝撃は、それはもう地球が割れるような感じだよ」
シンプルなメロディとリズムだけで人の心を動かすことはできるし、そこには感情を爆発させる圧倒的なパワーがある。そのことを中学生の甲本は身をもって体験した。
この音楽体験を指標とした甲本が、のちにロンドン・パンクに惹かれたのは必然だったといえよう。
文/佐藤剛 編集/TAP the POP
参照・引用
『ロックンロールが降ってきた日』(スペースシャワーネットワーク)
『14歳Ⅲ』(エムオン・エンタテインメント)














