コロナ中に妻の子育てを見て不安に

明彦さんはコロナ禍からのテレワークで、子育てには積極的に関わるようにしているそうですが、それ以前はあまり関わっていなかった事もあり、夫婦の子育て観が一致していない様子です。

「私は心配なんです。息子が自分の事が何も出来ない大人になってしまうんじゃないかって。あるじゃないですか。引きこもりになってしまうとか」

「そんな極端な事には……」
加奈子さんが言うと、「分からないだろう」と明彦さんが制します。

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
写真はイメージです(写真/PhotoAC)

「水筒も用意が出来てないと、『ママが悪いんだ!』って騒いで、妻を叩く事もあるんです。その時は私が止めに入りますけど」

「お父さんが入るとおさまりますか?」

はい、と明彦さんは言った後、
「ただ、私の言う事を聞くかというとそうでもなく、『やりなさい』と言った事もやりません。私も仕事があるのでずっと見ている訳にもいきませんし。妻にも子どもにもあまり口うるさく言いたくはないんです。夫婦で言い争っているのも子どもに見せたくありませんし」

夫婦喧嘩の目撃も心理的虐待とされる時代ですから、明彦さんの心がけは立派と言えます。ただ、夫婦の子育て観を一致させる必要があります。

「お父さんとお母さんの言う事が違うと子どもは混乱しますし、それにどうしたって自分にとって都合の良い方をとってしまいますからね」

私が言うと、明彦さんは、
「その通りです。今既にそうなっていますからね。それから、中学受験を考えているんです。だから、自分の事は自分でやる、という意識を持ってもらわないと」