大切なのは「体格」ではなく「飛ばせる能力」
しかし、2025年シーズンはその弱点を克服し、インコースでもしっかりバットに当てられるようになりました。彼はもともとパワーがあるので、当たりさえすれば遠くまで飛びます。その“当たる確率”が上がったことで、評価も一段階上がったわけです。
一方の村上選手も、ボールがバットに当たった瞬間の飛び方がパワーヒッターそのものです。スイングの強さや押し込む力、打球の質などのすべてがメジャーの求めるものに近く、やはり「飛ばせる能力」が際立っています。
メジャー球団が最初に注目するのは、こうした“圧倒的な長打力”です。どれだけ対応力があろうと、まず目に留まらなければ話になりません。長打力こそが、メジャーへの最初の扉を開く鍵になるのです。
身体の大きさに関していえば、確かに大きいに越したことはありませんが、メジャーは体格よりも「飛ばせるかどうか」を重視します。身体が小さくても、強烈なスイングとパンチ力があり、ホームランを打てる選手なら必ず興味を示します。ボストン・レッドソックスの吉田正尚選手がまさにその典型です。
彼は決して大柄ではありませんが、コンパクトな身体からは想像できないほどの強い打球を生み出せます。あの“特別な力”があったからこそ、彼はメジャー球団に評価されたのです。
結局のところ、メジャーがバッターに求めているのは「体格」ではなく「飛ばせる能力」「長打力という特別な武器」です。どんなに小柄でも、その一点を備えていれば、メジャーは必ず興味を示してきます。
日本でどれだけヒットを積み重ねても、長打力がなければメジャーの評価にはあまりつながりません。逆に言えば、長打力という明確な武器さえあれば、体格や細かな弱点はあとから修正できます。メジャーが本当に欲しているのは、そんな“特別な能力を持つバッター”なのです。
文/大屋博行













