なぜ親の口座を解約できないのか?

親の年金と女性の貯金を切り崩しながら両親の介護をしていたが、その生活が続く中で「このままだと貯金はなくなる」という不安が大きくなっていく。両親は自営業で年金も安かった。

5年が経過すると、両親の認知症の病状は進み、母親は特別養護老人ホームに入ることになった。所得が低いため、負担限度額認定が受けられたが、それでも月額6万円程度の出費となった。

認知症の母親は特別養護老人ホームに(写真/shutterstock)
認知症の母親は特別養護老人ホームに(写真/shutterstock)
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一方、父親は過剰な人見知りということもあり、女性は自宅での介護を続けることにした。この頃にはアルバイトを始めていたが、介護との両立には週3日が精一杯で、苦しい生活が続いた。

そこで女性は「本当にどうしようもないときまで使わない」と決めていた、親の定期預金を解約することに決めた。

女性が通帳やハンコを持って金融機関に行き、受付で「親の定期預金を解約したい」と伝えると、「契約者ご本人様が来られるか、ご本人様直筆の委任状が必要になります」と言われる。

「でも父は認知症で、もう文字も書けないんです」

そう答えると、金融機関の担当者は「だとしたら、解約は難しいです。でも、成年後見制度を使えば解約は可能です」と言った。