炎上の加害者はすぐそばにいる
さらに注目すべきは、メディア利用の傾向である。炎上参加者は、新聞購読者、テレビ視聴時間が長い人、そしてもちろんインターネット利用時間が長い人に多い。
ネット利用は想像通りだとしても、新聞やテレビといった従来型メディアの利用も関連しているのは意外に感じられるかもしれない。
背景には、炎上の火種となりやすい社会的テーマへの強い関心がある。
ジェンダー問題、差別、政治など、日常的にこれらの情報に触れ、自分なりの意見を形成しているからこそ、議論に加わろうとする動機が生まれる。逆に、情報にほとんど触れず、こうしたテーマへの関心がなければ、炎上に参加する動機はそもそも生じにくい。
もっとも、こうした特徴があるといっても、実際に炎上に書き込む人の割合はごくわずかだ。
過去1年間で炎上に参加した人は全体の0.5~0.7%にとどまり、1件あたりで見れば前述したように約40万人に1人という希少さである。たとえ「参加しやすい層」に属していても、大多数は傍観者に過ぎないということは忘れてはいけない。
だが、このわずかな人々が集中して書き込むことで、炎上は瞬く間に大きく燃え広がる。そして、その発信者は必ずしも遠く離れた匿名の誰かではない。職場の同僚、友人、あるいは自分自身―炎上の加害者と被害者の境界線は、意外なほど私たちのすぐそばにあるのである。













