エンタメ化された党イベントやグッズ販売
こうして集めた党員が支払う党費というサブスクによって、参政党は強力な資金基盤を確保している。党費があるからこそ、マーケティング、地域基盤づくり、選挙活動のサイクルを回し続けられる。
特定の大口支援者がいるという陰謀論めいた見方もあるが、党員数と党費を掛け合わせれば、十分な資金力があることは明らかだ。さらに、米国式のエンタメ化された党イベントやグッズ販売が収益を押し上げる構造となっている。
参政党の選挙結果は多少の風に左右されることはあっても、組織政党である以上、これまでの新興政党とは異なり、着実に議席を積み上げることができる。
こうした観点からすると、今回の衆議院選挙において参政党はすでに「勝利」していると言える。
理由は、①現有議席より獲得議席は確実に増える、②選挙を通じて党員数が増加し資金力が強化される、③衆院選候補者を統一地方選の候補者として転用できる、の三点だ。これだけで組織政党としては十分な成果である。
衆議院選挙後、さらに存在感を増していく
特に参政党型の政党にとって重要なのは党員数の増加であり、実は議席数の多寡は優先順位が低い。むしろ、一国一城の主としての性格がある小選挙区当選者が増えすぎると、党中央の統制力が相対的に弱まり、党運営上は望ましくないとも言えるだろう。こうした計算ができる点が同党の強みだ。
参政党は今回の衆議院選挙後、さらに存在感を増していくだろう。他党の幹部はその力を見誤っており、このままでは参政党に地盤を侵食され続ける可能性がある。
もし参政党の党勢が衰えるとすれば、それは神谷氏ではなく、自民党からの転向組が党内で主導権を握るようになった場合だろう。今回の議席増によって政党助成金が党費収入を大幅に上回れば、党員政党としての性格が揺らぐ可能性がある。
党員政党としての強みが薄れれば、議席や資金が増えても停滞が始まる。さらに、政策立案能力を補うために元議員を採用し続ければ、党内で台頭するのは元自民党議員となる可能性が高い。
しかし、彼らが神谷氏以上の組織運営能力を持つとは考えにくく、党員政党とはかけ離れた議員中心政党である第二自民党化する恐れがある。
今回の衆議院選挙後、参政党が統一地方選、参議院選、次の衆議院選を経てどのように変化していくのか、注視していきたい。
文/渡瀬裕哉













