「税金下げて」生活の悲鳴

一方、切実な生活防衛の声を上げる若者も目立った。新潟から観光で訪れ、たまたま演説を聞いたという24歳の社会人男性は、高市氏への期待を寄せつつも、その関心は「税金」にある。

「気になるのは税金面ですね。働き始めたので、どんどん税金が高くなっていったら生活がしにくくなるなど実感していますから。日本人の手取りなんて上がる気配がないので、生活のしやすさという点からも税金下げてほしいです」

現地にいた19歳の女子学生も同様だ。「来年頑張ってほしいなと思うのはやっぱり税金のことですね。自分たちの生活に直接影響するところなので」と語る。彼女は、高市内閣のガソリン税への対応の早さを評価し、「期待は持てますよね。スピード感といいますか」と、具体的な生活支援への即応力を評価基準に挙げている。

一方、古くからの自民党支持層にとっては、今回の「維新との連立」はどう映っているのか。32歳の主婦は、5年前の総裁選から高市氏を応援してきたという筋金入りの支持者だ。彼女は、連立相手が公明党から維新に変わったことについて、むしろ歓迎の意を示した。

「公明党さんは中国寄りのイメージがあってまだ期待できないので。(維新と組むのは)公明党さんよりは『まあまあ』って感じです(笑)」

彼女が期待するのは、国レベルでの「治安」と「経済」だ。「高市さんに一番期待しているのは、外国人政策というか治安の面ですね。やっぱり早めに手をつけないと取り返しがつかないことになるんじゃないかと思って」と語り、強いリーダーシップを求めている。

高市首相(撮影/集英社オンライン)
高市首相(撮影/集英社オンライン)
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ヤジと怒号、そして「裏金」「税金」へのさまざまな思いが交錯した高市・維新連立政権の船出。

現場で聞かれたのは、スキャンダル追及に明け暮れる国会への飽きと、自身の生活に直結する経済・税制への切実な要求だった。ヤジで騒然となった現場を「面白かった」「なるほど、やるんだ」と冷めた目で見る若者たち。彼らの関心は、政治家のパフォーマンスではなく、「誰が手取りを増やしてくれるのか」「誰が安全を守ってくれるのか」という一点に集約されているようだ。

「過半数割れなら辞任」という重い条件を自ら背負った高市首相。そして、「逃げない」と言いつつも影の薄さが否めない維新。この新たな連立政権は、国民の「生活の不安」という壁を突破できるのか。12日間の激戦の火蓋が、今切って落とされた。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班