粗品の毒は芸なのか
難しいのは霜降り明星の粗品君のトーク。彼らがM-1王者になった時も私は審査員で、最終決戦では彼らに一票を投じた。
その後の霜降り明星の活躍は凄まじい。
そんな中で粗品の発言が度々話題になっている。大物芸人に対しても忖度なしに批判する。それはギャグとしてではなく、ストレートに言葉をぶつける。
ちょいと面白いのが私憤から来る場合があるところ。伯山に対して「お前、おもろないわ!」とぶつけるのだが、それは伯山のラジオで過去に自分への文句を言われたから。他のタレントに対しても、過去共演した番組で何か言われたから、とか、そういったことが悪口の元になったりしている。この人間の小ささが彼の魅力だと思う。
だいたい芸名が「粗品」である。昨今ない面白い芸名だ。自らを粗品と名乗る発想がすごい。自分は粗品だからそういうちっぽけなことにも、こだわるんじゃい! ということか。芸人の見本だ。それに対して伯山は逃げる。おい、逃げてどうする? 同じようにセコいところから返さんかい!
粗品のもうひとつの特徴は、自分こそが一番という尊大な態度、発言だ。「俺が一番面白いんじゃ」「俺は神に選ばれし芸人なんじゃ!」。
ダウンタウンの松本人志も似たような発言を若い頃にしていた。談志も「落語は俺だけ聴いておけばいい」とよく高座で言っていた。
付け加えると、客に向かって「馬鹿は今のうちに帰った方がいいよ。馬鹿は俺の話を聞くと腹が立つからな。歌丸や小朝のところに行けよ」とも言っていた。プロ野球の落合(博満)もタイプから言うと同じ。
こういった尊大な発言をする人は日本においては嫌われる。あくまでも謙虚である人が好かれる。でもそういう尊大な人に惹かれる人がたくさんいるのも事実。問題は、そこに芸が追いついているかどうか。
芸ではないが、落合は成績が凄く、選手の時は勿論、監督になってからも凄かった。現役の頃はかなり批判されていたが、現在落合を否定する野球人、ファンはまずいない。あの成績を持ち出されたら誰も敵わない。
落合を少しソフトにしたのがイチローだ。だが、一番好かれるのは大谷翔平。偉ぶったことは絶対に言わない。私なんかからすると優等生過ぎて面白みがなく感ずるのだが、あれだけの成績、活躍を残しても尚且つ謙虚、これに日本人は一番弱い。












