「あんまり読んでほしくないなって思っちゃいます(笑)」
最近では国内の大型音楽フェスだけでなく、韓国や香港でのフェスにも呼ばれるなどano名義の音楽活動と人気はさらに拡大している。
さらに深夜の生放送ラジオやテレビバラエティの出演だけでなく、来年4月放送予定のドラマ『惡の華』にも主演として出演とまさに寝る暇もないほど多忙の中、あのはなぜ今回エッセイを書こうと思ったのか。
「自分の感情とか今までの経験とか、どういうことを吸収してきたのかっていうところを今回書きたいって思ったんです。
書き終える前から予感してたんですけど、書き終わってからなんかあんまり読んでほしくないなって思っちゃいます(笑)。そのぐらい大事なことも書けたのかなって。
自伝ではないので、書いてないこともたくさんあるけど、思い出したくないものがほとんどでした。そういうものが僕の人生につきものだったから、書けば書くほど自分がその物事に対してどこまで向き合えていたのか、どこまで許せてどこまで許せていないのかっていうのがわかりました」(あの、以下同)
おじさんが建てたビル 脱いだピンヒール
若者が飛び降りるビル ひとりふたり 夜はいつも通り
生きるためのジェルネイル 手首は死んでいる
無慈悲に飲む込むピル ひとつふたつ 今日もロマンティック通り
『ミッドナイト全部大丈夫』より
アーティスト活動では作詞も手掛けているが、エッセイの執筆とはどのような違いがあったのか。
「作詞のときもそうなんですけど、けっこう一気に書くところは書いて、他の仕事もあるので夜中にちょこちょこ書いたりしていました。書き進めたら勢いで書くタイプなのでこの本も同じように書いていきました。
でも、書き方が難しいというか、自分の感情や経験とか吸収してきたものを書いたので、そこでちょっと考え込むことはありましたね。
僕にとって当たり前のこととか、周りからしたらどうでもいいことをどうでもよくないって言いたいために書いたところもあります。書いていると自分はやっぱりこういう考えなんだな、思いなんだなっていうのがかなり整理できたし、それに気づけたことでどこか救われるというか、書くことで研ぎ澄まされていきました」
著書の中では「自分らしさは流動的でいい」という言葉がある。この数年の大ブレイクによって多くの人に知られる存在になったことで、自身の性格や言動など前と変化してきた部分もあるのだろうか。
「けっこうブレない方かなと自分でも思うんですけど、昔はあまりにもブレなさすぎたところがあって。この数年で自分らしさってブレないことももちろん大事だけど、自分らしさに縛られないためにもっともっと自分を知って、変われることも受け入られるようになってきました。
それを知った上で一番自分らしくいれることに気づけたので、自分の考えやバリエーションが増えたのが一番変わったところです」













