中学生のときから存在する「復讐ルール」

『哲学なんていらない哲学』の中では、あのの小学、中学、高校時代と彼女にとって振り返りたくない過去の出来事が赤裸々につづられている。当時中学生だった彼女が作った「復讐ルール」(「蹴落とさない」「ズルしない」「自分を信じる」「あきらめない」)に触れている。

「これをルールとしてずっとやってきました。こういう思考に至ったきっかけみたいなものがあるとすると、家系的なものですね。両親もそうだったんですけど、人のことを蹴落とすってことをしない。傷つけるより傷つけられる方になれという育て方をされました。

蹴落として何かを得ることもできるかもしれないけど、蹴落とさないで何かを得たときの方がたぶんすごいっていうことをなんとなく知ってたんです。自分の力で真っ向勝負したいっていうのが性格的にあります」

本書では過去のつらい経験も多く描かれている
本書では過去のつらい経験も多く描かれている

何かを蹴落とさずに多くのファンやリスナーから支持されるようになった現在、あのにとって幸せの形はどんなものなのか。また、ファンから求められることは幸せにつながっているのか。

「うーん、ざっくり言うと他人と比べないってところとか、他人が関与しないというとこ。それが恋人だとしても家族だとしても、他の人が入ることではなく、自分自身の人生や日常の中ではかるというか。他人と比べないで、自分がたのしいとかうれしいとか思えるものが幸せなのかなって。

ファンの人に求めてもらうのは、どこか使命感や宿命みたいなのがけっこう強くて。自分ももらってるけど、ある分あげなきゃって。だから、一方通行じゃないから、幸せとは違う感覚ではありますね」