日本人高校生に負け知らずだった中谷雄飛

2年時の全国高校駅伝は3区で当時・日本人最高記録となる23分28秒をマーク。倉敷高校の留学生に追いつかれましたが、最後に突き放して、トップでタスキを渡しました。

3年時の全国高校駅伝は1区で29分08秒の区間賞。プレッシャーもあったはずですが、それを力に変える強さを持っていたと思います。3年時はトラックを含めて、日本人高校生に負け知らずで、卒業していきました。本当に強かったです。その強さはちょっと異常だったので、私も安心してエース区間を任せることができました。

早稲田大学では1万mで27分台を出して、学生三大駅伝でも活躍しました。ただ箱根駅伝の距離はちょっと対応しきれなかったのかなと感じています。本人は非常に真面目なので、箱根駅伝でも結果も出さなきゃいけないという思いが強すぎたのかもしれません。実業団のSGホールディングスでも苦しんでいますが、力はあるので、きっかけをつかめばまた走れるようになると思います。

佐久長聖駅伝部の監督・高見澤勝監督(写真/西邑泰和)
佐久長聖駅伝部の監督・高見澤勝監督(写真/西邑泰和)
すべての画像を見る

文/高見澤勝 写真/佐久長聖高校駅伝部

『佐久長聖はなぜ強いのか?「人」を育てチーム力を上げる指導メソッド』(竹書房)
高見澤勝
『佐久長聖はなぜ強いのか?「人」を育てチーム力を上げる指導メソッド』(竹書房)
2025年12月10日
1,870円(税込)
200ページ
ISBN: 978-4801947481

“日本一厳しい”環境で育まれた“人間力”を武器に
2023年&2024年 全国高校駅伝2連覇を成し遂げた
佐久長聖の“駅伝力”の神髄に迫る!?

「佐久長聖はなぜ強いのか?」とよく聞かれます。
全国から有望な選手が集まってくるわけでもなく、
ハイレベルな練習をしているわけでもありません。
ただ「強い」のは決して偶然ではなく、明確な理由があると思っています。

箱根駅伝に出場したOB選手が59人。全国トップクラスの実績を誇り、これまで村澤明伸、大迫傑、鈴木芽吹、關颯人、上田瑠偉、名取燎太、中谷雄飛、吉岡大翔、永原颯磨、山口竣平…多くの名ランナーを輩出してきた佐久長聖の秘密に迫る1冊。

第1章    競技人生のスタート
両角先生との出会い
佐久長聖の礎となったクロカンコース
全国高校駅伝の優勝を意識して

第2章 大学・実業団時代の苦しみ
箱根駅伝に潜んでいた魔物
高見澤、お前はマラソンだ!
4年目にしてマラソンに到達

第3章 指導者としての喜びと苦悩
母校で指導者のキャリアがスタート
全国高校駅伝で悲願の初優勝
ワースト記録からの出発

第4章 全国高校駅伝で勝てるようになった理由
9年ぶりの〝日本一〟直前に両角先生から電話
日本高校最高記録の奪回に成功
ライバル校をアンカー勝負で下して連覇を達成

第5章 高校卒業後も活躍する選手たちのエピソード
村澤明伸ら初優勝メンバーたちの素顔
「1番」のこだわりが強烈だった大迫傑
花の1区を制したエースたち

第6章 佐久長聖の強化プログラム
3年間の育成プログラム
夏の「合同合宿」がチームを強くする
全国高校駅伝の〝勝利のセオリー〟

第7章 最強チームのマネジメント術
知られざる寮生活のおきて
日々の生活が選手を強くする

高校時代は選手たちにとって「土台作り」の場。
その先の大学、社会人を見据え、
世界を舞台に活躍できる選手を育てたい。

amazon