人生なんとでもなると思っている

「ザ・ノンフィクション」では、ウソや遅刻は当たり前という小堀の怠惰な生活の様子が描かれた。しかしそれは今に始まったことではないという。小学生時代から寝坊の常習犯だった。

「2度寝って気持ちいいんだよ。俺は2度寝するために、1度寝ているのかもしれないね。毎日遅刻するから先生によく怒られたよ。

小学4年生の時、先生がものすごい剣幕で『今何時だ?』と詰めてきたから、“この教室の空気を変えないといけない”と思って『ニューヨークでは9時半です』って答えたら、教室中が笑ったんだ。

俺はそれがお笑いとは思っていなかったけど、振り返ると、俺にとってのお笑いの原体験だったのかもしれない」(小堀敏夫 以下同)

「ザ・ノンフィクション」で話題になったクズ芸人・小堀敏夫さん
「ザ・ノンフィクション」で話題になったクズ芸人・小堀敏夫さん
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小堀は1992年に3代目三遊亭圓丈に入門し「三遊亭ぐん丈」の高座名で活動。1997年にガッポリ建設を結成した。相方の室田稔とコンビとして「エンタの神様」「あらびき団」など人気バラエティー番組に出演し、一部のお笑いファンから注目を集めた。

しかし近年は室田が愛知県を拠点にディレクター・アナウンサー業を中心に活動しているため、コンビとしての活動は行なっていない。

一方、小堀は58歳になった今も肩書きは芸人のまま、日々、ギャラ飲みやギャンブルに勤しんでいる。そもそも芸人自体が、浮き沈みが激しい職種だが、焦燥感に駆られることはなかったのだろうか。

「2011年の東日本大震災で芸人としての仕事がまったくなくなった時にちょっと不安になった。初めてピンチだと感じたかも知れないね。でもそれくらいかな。

その頃は本当にお金がなくて、近所の神社になっていた柿を一時的に借りて飢えを凌いでいたよ。神主さんは、良い人だからさ。ニコニコしながら寄ってきて『夜に来ないで、朝に来てくれれば差し上げますよ』なんて言ってくれた。

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基本的にどんなことがあっても、ピンチとかキツイとは思わない性格なんだよ。“ネタがひとつ増えた”くらいの感覚で、人生なんとでもなると思っているね」