コント芸が演技に活きる
その後も、たまにドラマなどに出演してきたが『女優さんはやっぱり綺麗だな』といった率直な感想しか抱かなかったと振り返る。
「その意識が変わったのは、ここ2年くらい。共演した内藤剛志さんからは『リハーサルから全力』ということを学びました。芸人の悪い癖で、コント番組だとリハーサルは軽く流して、本番でちゃんとやる。それが染みついていて。
でも、演技の現場でそれをやると、監督が演出しにくい。六平直政さんからも、役者の心構えを教えていただきましたね。この間、森本レオさんに電話したら『肥後くんは、うん、役者になったほうがいいよ』って。
やっと認めてくれたなと思いましたよ、ずっと論争してきたから(笑)。『熱湯風呂とかおでんとか、あんなのは芸じゃない』『いやいやレオさん、あれも芸なんですよ』『あれは芸じゃない』ってね(笑)」
コント芸人としてのキャリアが、演技に活きた。そんな経験を尋ねてみると、
「『監察医 朝顔』(フジテレビ系)で、急須にお湯をいれて『あちゃちゃちゃちゃ』って熱がるシーンをやったんですね。OKがかかった直後、スタッフが駆け寄って『大丈夫ですか?』って言うんだけど、俺、1滴もこぼしてないの。衣装を濡らすとやっかいだからね。そのときに『お笑い的、コント的なことは役立ってるんだな』って思いましたね(笑)」
演技をすることの難しさと楽しさについて聞くと、
「コントだと、ある程度の狙いどころや落としどころが自分の中にあるわけなんですけど。ドラマに関していうと、監督や演出家の頭の中にイメージする画があって、その中に入っていくことが難しいなぁと思いますね。もちろん、演技力云々ってこともあると思いますけど。
楽しさですか? 簡単にいうと、帰宅後にビールを飲んでいるときの達成感ですかね。なぜかといえば、演技の現場では、ちゃんといいテイクを出さないと絶対にOKは出ないから。ちゃんとOKをもらえて、帰宅できている状態に『よかったな』って思うし、気持ちよくビールが飲める。
でもバラエティだと、撮り終わって帰宅しても、ビールを飲みながら『そっか、あそこはああ言えばよかった』『もっとこうすれば笑いが取れたかも』と自己反省が始まっちゃうんですね。そんな違いはありますね」












