満身創痍のアクションシーンと、高橋恭平に「運命的なものを感じた」わけ
――今作には激しいアクションシーンもありましたが、苦労された部分はありましたか。
今までアクション経験がほとんどなかったので、7分にも及ぶアクションパートを演じることが最初はすごく恐ろしくて、「できるわけない……」って思っていました。
でもスタッフさんの丁寧な指導のもと、撮影後や、家に帰ってからも練習を重ねました。毎日全身筋肉痛の状態で、まさに満身創痍で臨みました(笑)。
1週間に及ぶアクションシーンを撮り終えた瞬間は、やり切った……という達成感がありました。
一日一日の撮影を乗り越えるために、目の前にあることをどんどんなぎ倒していくような日々でした。大変ではあったのですが、すごく充実した毎日でもありました。
――同じくクアトロ主演を務める高橋恭平さん(なにわ男子)、木村柾哉さん(INI)、中島颯太さん(FANTASTICS)とは撮影中、どのようなコミュニケーションを取られていたんですか。
まず高橋さんとは生年月日が全く一緒なのですが、性格は私と真逆で、一見クールに見えてとても盛り上げ上手。現場のムードメーカーでもありました。中島さんもノリツッコミが面白くて、2人を基軸に現場はずっと盛り上がっている状態でした。
なぞなぞを出し合ったり、SNSで流行っていた空中ウォークにみんなでひたすら挑戦したりしてましたね。
――『賭ケグルイ』シリーズや『ぐらんぶる』など原作の面白さを損なわない数々の実写化作品に定評のある英監督の現場での魅力を聞かせてください。
英監督はとにかく太陽みたいな存在なので、現場の空気が重い日が一日もなく、毎日がとてもクリエイティブで楽しい現場でした。英監督はあまり粘って撮るタイプではなく、基本的に「一発OK」みたいなタイプなので、みんなその1テイクに命をかける、瞬間的に生まれる強さを求める日々でした。
――英監督作品には映画『3D彼女 リアルガール』(2018年)以来の出演かと思いますが、緊張はされましたか。
緊張は全くなかったです(笑)。初めてお会いしたときは10代のときでしたが、そのときから全くお変わりなく、芝居中も豪快に笑っていました。英監督が笑ってくれるとうれしいですし、たくさん寄りかかる気持ちで、最後まで英監督の感覚を信じて走り切ることができました。
約10年ぶりに英勉監督と上白石萌歌が再タッグを組んで挑んだ本作。ふたりの進化と信頼が織りなす、新たな科学反応に注目してほしい。
前編「〈芸能活動15周年〉上白石萌歌、30代の展望語る」はこちら
取材・文/木下未希 撮影/矢島泰輔
上白石萌歌さんスタッフ:ヘアメイク/恩田希(資生堂)、スタイリスト/道端亜未














