本当の意味で成熟した大人は外に目を向ける
『LEON』が描いてきたのは、高級ブランドを身につけ、いいワインも知っていて、いい車に乗る──そんな大人の男性像だった。だが、時代は変わった。
「そういう物質的な、高級車に乗っていいもの着てっていうのも経済活動のためにはいいんだろうけど、本当はそれだけじゃ足りないですよっていうのがわかり始めた時代だと思いますね」
岸田さんが例に出したのは、こんなシチュエーションだ。
「女性が、付き合い始めた男性に対して『来週の週末はどこ連れてってくれるのかな』と思っていたとして、それに対して『ゴルフ行こう』とか『美味しいイタリアン行こう』とかって言う男性がいて。
もう一人はゴルフもイタリアンも連れて行ってくれるのだけれど、『ごめん、僕こんなボランティアをやっていて、来週末だけは時間が作れない』っていう。どっちのおっさんがかっこいいかっていったら、ボランティアやっている方がかっこいいわけですよ」
社会貢献。それが、これからの大人の魅力の要素になる。
「最近、企業もどれだけ社会貢献しているか、CSRでどれだけ評価されるかっていうのが大切だったりしますから。
今はSNS時代で、TikTokにしろ、インスタにしろ、高いものを持っているだけが自慢の若い子がすごく多いじゃないですか。それって本当に空っぽで、それをある程度の大人がやると余計みっともない」
本当に成熟した大人は、かっこよくて当然、さらに自分以外の人たちに対してどう貢献できるかを見せていく。それが魅力の要素になる。













