学級閉鎖などで伝達ミスが起こり得るが… 

では、そもそもなぜ間に合うタイミングで給食センターや調理員たちにキャンセルが伝わらなかったのか。同市教委の給食運営課はこう説明する。 

「給食の管理は学校により違いますが、(キャンセルがある場合には)基本的に学食教諭という係の教員か教頭か事務員などが給食センターや調理場の方に報告しています。しかし、遠足行事の認識不足や学級閉鎖などで伝達ミスは起こり得ます。 

もちろん完璧を目指していますが、この5年間で調理した216校分の給食の総数のうちの89件の発注漏れを『人的ミスだ』『連携不足だ』と言われてしまうのは厳しいなと思います。もちろん今後ヒューマンエラーが起きないよう徹底する姿勢は変わりませんが……」 

「福岡市学校給食公社」HPより引用
「福岡市学校給食公社」HPより引用
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いっぽうで、関東近県で小学校の給食主任をしている現役教師は、「5年間で89件の直前キャンセルの原因が単なる伝達ミスなんてことあり得るのだろうか」と、福岡市教委の主張について首をかしげる。

「私の勤務先の給食主任の仕事は2か月前ごとに、月毎の給食数をエクセルで表に作って事務員に確認してもらい、その後、主幹教諭、教頭、校長と5者くらいが確認し、給食数を栄養教諭に渡します。学校によって確認ルートは異なりますが最低でもダブルチェック以上の確認はしているはずなので、福岡市がどういう経緯で誤発注による直前キャンセルをしたのかまったくわかりません」

福岡市はなぜ直前キャンセルが起こってしまったのかを明らかにし、今後は極力ヒューマンエラーを無くす努力をするべきだろう。“炎上”続きの給食トラブル、「2度あることは3度…」とだけはならないでほしい。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 サムネイル/PhotoAC